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画期的判決に湧く 原発事故集団訴訟 原告「評価できる」

 東京電力は経済的合理性を安全性に優先させた。国も必要な措置を命じるべきだった-。東電福島第一原発事故で本県から群馬県に避難した住民らが東電と国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、前橋地裁は17日、東電と国の責任を明確に認めた。原告と弁護団は責任の所在を厳しく断じた判決を評価した。
 「一部勝訴」「国の賠償責任を認める」。判決言い渡し後、弁護団が地裁前で判決内容を記した垂れ幕を掲げると、各地から集まった集団訴訟の原告たちから拍手が湧き起こった。一般傍聴席22席に400人近くが応募し、地裁前は抽選に漏れた人でごった返した。
 判決後の弁護団の報告集会で鈴木克昌弁護団長は「国の賠償責任を東電と同等に認めた点と、津波の予見可能性を認め、適切な対応を怠ったと認定している点は評価できる」と強調した。ただ、計約15億円を求めた損害賠償額は約3855万円に減じられた。「低額にとどまり納得し難い。金額が十分か、真摯(しんし)に議論し、原告の意見を聞かなければならない」と険しい表情を浮かべた。各地の原告団は配布資料に目を落とし、自らの訴訟へ影響する可能性を分析した。
 原告でいわき市から前橋市に自主避難している自営業丹治杉江さん(60)は「国と東電の責任を認めた判決で、心からうれしく思う」と評価した。損害賠償額については「この金額で納得できるか、弁護士と話しながら考えたい」と語った。
 原発賠償を研究している大阪市立大の除本(よけもと)理史教授(45)は、裁判所が東電の対応を厳しく非難した判決内容だったと分析した。福島地裁で争われている生業(なりわい)訴訟原告側弁護団の馬奈木厳太郎弁護士(41)は裁判を傍聴した。「国の責任が明確になった点は大きい。今後判決を控える訴訟の一つの指標になる可能性がある」と話した。
 賠償額については、低額だったとの見方もあった。賠償に詳しい京都産業大の高嶌(たかしま)英弘教授(57)は「避難によって生活の基盤を失った人は金額に納得できないだろう」とみた。各地で行われている同様の訴訟で、金額を巡っての審議がより活発化するのではないかと行方を占った。

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