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環境省、今秋にも搬入 富岡の指定廃棄物処分場

 東京電力福島第一原発事故で発生した県内の指定廃棄物を富岡町の管理型処分場で埋め立てる国の計画で、今年秋にも環境省による廃棄物搬入が始まる見通しとなった。同省が17日、搬入路がある楢葉町に対し、近く搬入路の整備などに着手する方針を示した。同省と安全協定を結ぶ県、同町は埋め立て開始に理解を示した上で、周辺住民の安全確保や丁寧な情報提供などを求めた。

■安全確保を要求 県、楢葉町
 伊藤忠彦環境副大臣が楢葉町役場で松本幸英町長に対し「双葉郡、福島県の復興に必要不可欠な事業。できるだけ早期に(埋め立て処分を)開始することが国の責務」と強調。地元行政区と安全協定の締結に至らない場合でも「楢葉町、富岡町、福島県と調整の上で廃棄物を搬入したい」と述べた。
 松本町長は「行政区との協定締結後に事業を進めるのが条件ではないものの、望ましい形だと考えている」と述べ、引き続き地元への丁寧な説明を求めた。搬入時期については「(事業主体である)国の判断だ」とした。
 伊藤副大臣は搬入時期を明らかにしなかったが、関係者によると県や楢葉、富岡両町などに対し、早ければ秋ごろに搬入を開始する意向を伝えている。県内の減容化施設や仮置き場などにたまり続ける指定廃棄物を見据え、焼却処理やセメント固型化などによる埋め立てを進め、環境回復を急ぐ考えだ。
 同席した鈴木正晃副知事は「地元へ丁寧に説明しながら安全・安心の確保を最優先に事業の円滑な推進に努めてほしい」と求めた。
 同省によると、搬入路の整備は6号国道に接続する既存の町道を拡幅し、大型車両の往来に備えて舗装を厚くする。工期は半年程度の見込みで、早期に着工できれば秋か冬には廃棄物搬入が可能になるという。
 管理型処分場の埋め立て容量は約65万立方メートル。内訳は(1)双葉郡8町村の生活ごみ約2万7000立方メートル(2)避難指示区域が設定された市町村で発生した災害がれき、帰宅時の片付けごみなど約44万5000立方メートル(3)県内で発生した焼却灰や下水汚泥など1キロ当たり8000ベクレル超10万ベクレル以下の指定廃棄物約18万2000立方メートルとなる。
 埋め立てには(1)は約10年間、(2)と(3)は約6年間かかる見込みで、今年秋に搬入が始まれば39年ごろには埋め立て処分が完了する。指定廃棄物とは別に県内で発生した除染廃棄物は最大2200万立方メートルに上ると推計しており、同省が全て中間貯蔵施設(大熊町・双葉町)に搬入する。
 県と楢葉、富岡両町は27年12月、指定廃棄物を管理型処分場で処理する国の計画を了承。同省は28年4月に処分場を国有化した。当初、28年度内に搬入を開始する計画だった。搬入路がある楢葉町の上繁岡、繁岡両行政区との調整は難航し、現時点で安全協定の締結に至っていない。

カテゴリー:福島第一原発事故

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