飯舘村教委は、認定こども園と小中学校を飯舘中敷地内に集約し2018(平成30)年4月に開校する新学校の教育に関する費用を全て無料化する方針を固めた。これまで打ち出してきた特色ある教育に加え、費用負担軽減で村外に避難している世帯の子どもの通学者確保を目指す。
村教委によると、対象は新学校に入るゼロ歳児から中学生まで。無料化するのは教材費、給食費、制服・運動着購入費、遠足・修学旅行参加費、スクールバスと学童保育の利用料、PTA会費、認定こども園の保育料など。長期休暇中の学童保育利用者にも無料で給食を提供する。財源は国、県の補助金やふるさと納税などの活用を検討している。
村教委は無料化の方針や民間学習塾と連携した授業など特徴的な教育、新校舎の設備などを紹介するパンフレットを作成し、7月に村に住所を置くゼロ歳から中学2年生までの約750人の保護者に配布する。7月下旬から就学意向調査を行う予定。中井田栄村教育長は「村挙げて子どもの資質と能力を伸ばす。子どもを育てるなら飯舘村と言われるよう準備したい」と話している。
県教育庁義務教育課は「県内では生活困窮世帯や被災者の生活支援を目的とした無料化は例があるが、全ての子どもを対象とするのは珍しい。今後、古里で学校を再開する他の自治体の動きが注目される」としている。
原発事故に伴う村の避難指示は一部を除き3月末に解除されたが、現在も幼稚園児と小中学生合わせて139人が川俣町と福島市飯野町の仮設校舎に通っている。
(カテゴリー:福島第一原発事故)