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県産米、全量検査在り方協議 夏にも県継続、縮小方向探る

 県産米の放射性セシウム濃度を調べる全量全袋検査を巡り、県は今夏にも、市町村や農業関係団体を交えた協議会を設け、今後の在り方について議論を始める。2年連続で食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えるコメは出ていないため、検査の縮小を求める意見が出始めている一方、風評払拭(ふっしょく)には継続が必要とする声も根強い。県産米の安全をどう担保するか、県は難しい判断を迫られそうだ。

 県が29日に開かれた6月定例県議会農林水産委員会で方針を示した。協議会は県をはじめ、市町村やJAのほか、流通・販売業者、有識者らで構成する。市町村は中通り、浜通り、会津の3地方から偏りがないよう選ぶ。各地域の検査結果や営農状況に関する情報を共有し、検査体制の方向性を議論する。仮に現在の体制を縮小する場合、どのように県産米の安全性を担保するかが大きな課題になる。県はできる限り早く結論を出したいとしている。
 検査は2012(平成24)年に始まり、基準値を超える県産米の検体数は年々減少している。2015、2016両年産米は、県が2016年度末までに調べた計2073万9956点全てで基準値を下回った。このうち99.995%に当たる2073万8871点は検出下限値(1キロ当たり25ベクレル)未満となっている。
 県によると、こうした結果を受け、東京電力福島第一原発から比較的遠い南会津や会津、県南地方の農家などから検査体制の縮小を求める声が出始めている。「検査に手間がかかり、農家の負担になっている」「検査すること自体が風評を助長する」などの理由が多いという。
 一方、双葉郡など浜通りの農家からは「検査を継続しなければ、販売価格のさらなる低下につながりかねない」との声も上がっている。
 県は県消費者団体連絡協議会が2016年度に実施した県民意識調査(回答者1356人)で、検査体制の継続を希望する回答が73.1%に上った結果なども踏まえ、協議会で慎重に意見交換を進めていく。

※全量全袋検査
 県や市町村、JAなどでつくる「ふくしまの恵み安全対策協議会」が主体となり、全ての県産玄米を県内172カ所の検査場で調べている。年間60億円弱の費用が必要で、毎年度、約50億円超を東電に損害賠償として請求し、残りは国費を充てている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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