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震災後の言葉探る 和合、多和田、開沼さん 福島で鼎談

 福島市の詩人和合亮一さん、ドイツ・ベルリン在住の芥川賞作家多和田葉子さん、いわき市出身の社会学者開沼博さんの鼎談(ていだん)「ベルリン、福島~あの日から言葉の灯りをさがして~」は11日、福島市の県立図書館で催された。海外の視点を踏まえ東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後の言葉や社会の在り方を考えた。
 和合さんと交流のある愛知のイベント事務所イグニッション・ギャラリーの主催。福島民報社などの共催。100人を超える聴衆が訪れた。
 3人の震災・原発事故に関する著作を切り口に議論が始まった。原発を巡る社会構造を論じている開沼さんは「言い切れない部分も含め(不条理に)言葉を与えるのが文学の仕事」と提起した。
 県内の仮設住宅などを訪問し、短編集「献灯使」で原発事故後の常識が崩壊した日本を描いた多和田さんは「近未来でなく今の日本の状況を書いた」とし、現実を想像力で構成した経過を示した。
 和合さんは仏文学賞「ニュンク・レビュー・ポエトリー賞」(外国語部門)を受けた詩集「詩の礫(つぶて)」を引き合いに、情報を伝える言語と文学の言語の違いを説明。これに対し多和田さんは「事実や気持ちが一緒くたに言葉に入っているのがフィクションの強み」とした。
 社会状況にも論が及んだ。開沼さんは、近代化が進み生活が便利になったが、原発事故という近代化のシステムトラブルが起きた結果、社会様式の変化が加速したと指摘した。
 最後に和合さんは「福島の人は震災の時にさまざまな線を引かれてつらい思いをした。その経験をしたからこそ、終わらない対話をここから始めたい」と語った。

カテゴリー:福島第一原発事故

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