東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

政府工程表の表現後退 福島第一デブリ取り出し

 政府は1日、東京電力福島第一原発の廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)の改定案を示し、これまで「2021年内に取り出しを開始する」としていた1~3号機の溶融核燃料(燃料デブリ)の取り出し時期について「2021年内の取り出し開始を目指す」と表現を後退させた。取り出し開始時期が遅れる可能性があるととれる修正に対して、専門家から「従来の工程の維持に努力すべき」との声が出ている。

 工程表の改定案は同日、官邸で開かれた廃炉・汚染水対策チームの会合で示した。
 デブリの取り出し開始時期について、2015(平成27)年に改定した現行の工程表では「2018年度上半期までに方法を確定し、2021年内に初号機における取り出しを開始する」と掲げている。政府と東電は1~3号機原子炉格納容器の内部調査を進めてきたが、いずれの号機もデブリの実態把握が十分にできていない。こうした状況を踏まえ、工程表の改定案では「2021年内に初号機における取り出しを開始することを目指す」とした。一方で、事故後30~40年で完了するとした全体の枠組みは維持した。
 同日、県庁で会見した経済産業省資源エネルギー庁の木野正登廃炉・汚染水対策官は「2021年の取り出しは可能だとは考えているが、(工程表決定に向けた廃炉作業の)精査は完全に終わっていないので目指すという文言を入れた。遅れることが前提ではない」と説明した。一方で、精査の結果、遅れが出る可能性については否定しなかった。
 角山茂章県原子力対策監は、工程表案の文言が修正されたことについて「炉内の状況が完全に把握できていない現状では理解できる面はある」との認識を示した。その上で、「デブリ取り出し開始が大幅に遅れれば廃炉完了の時期もずれ込む。作業リスクを減らすためにも従来の工程表のスケジュール維持に努力すべきだ」と強調した。
 政府は今後、使用済み核燃料プールからの燃料取り出しや汚染水対策など廃炉の工程ごとの目標時期を精査し、月内にも正式決定する。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧