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今年産米JA概算金 原発事故前水準に回復 県内全域需要反映、仮払金増へ

 県内5JAが農家からコメを買い取る際の仮払金の目安となる2017(平成29)年産米の「JA概算金」が県内全域で2016年産を上回り、東京電力福島第一原発事故前の水準に回復した。8日、JA関係者の話で分かった。県産米の需要増などが金額に反映され、一等米1俵(60キロ)当たり800~1100円の増額となった。農家への支払額増に伴い、JAや全農は取引業者への販売額引き上げを迫られる見通しで、販路維持が課題となる。

 JA概算金は毎年秋に全農県本部が県内の各JAに提示する。各JAはJA概算金を基に、それぞれ金額を上乗せしたり手数料を差し引いたりして農家への支払額を決める。
 2016、2017年産米のJA概算金は【表】の通り。会津産コシヒカリは1万2900円で昨年から800円増えた。中、浜通り産のコシヒカリは1100円増、ひとめぼれは会津、中、浜通りとも1000円増、天のつぶは全県で1100円増となり、全て1万2000円台に乗った。県内全域での上昇は3年連続となった。
 米価は市場動向で変動する上、2015年産から仮払金を決める方式が変わったため単純比較はできないが、仮払金の目安となる概算金は2017年産で初めて原発事故前の水準まで回復した。2014年に事故前の6割程度まで落ち込み、2015年産から増加傾向に転じていた。
 増額の背景には、安全性の浸透などによる市場での県産米の需要の高まりがある。県によると、外食や弁当、おにぎりなどの「業務用」として取引される県産米の量が増えており、全農県本部は県産米の価格上昇を見込んでJA概算金を上積みしたとみられる。非主食用米への転作(減反)に伴う主食用米の需給バランスの改善や2017年産の作柄状況なども考慮したもようだ。
 JA概算金の上昇に伴い、農家は収入増加が見込まれる。一方、関係者からは、生産者への支払額が増える分、JAが利益を確保するためには卸売業者や小売業者、外食業者に対する販売価格の引き上げが必要との声が上がっている。ただし、販売価格を引き上げた場合、本県以外の競合産地との価格差が縮まり、販路確保が難しくなる可能性もあり、県産米のブランド力向上や販売戦略の強化が求められる。

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