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突然、県民に戸惑い 復興への影響懸念 首相解散意向

安倍首相が衆院解散の意向を固めたことを伝えるニュースを見る吉田晴男さん(右)と妻玲子さん=17日午後7時45分ごろ、いわき市

 安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭にも衆院を解散する意向を固めたことが明らかになった17日、県民からは突然の解散・総選挙への困惑や東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興への影響を懸念する声が上がった。10月は県内各地で数多くのスポーツ大会やイベントの開催が予定されており、各市町村選管委の担当者は投開票所確保の難しさを口にした。

 「双葉町に整備中のインターチェンジなど復興の進展に影響が出ないか心配だ」。双葉町からいわき市に避難している農業吉田晴男さん(66)と妻玲子さん(62)は、衆院解散の動きを報じるテレビのニュースを食い入るように見つめた。
 15日に政府が双葉町の一部を特定復興再生拠点に認め、町内の除染や社会基盤整備が本格化する見通しになったばかり。「各政党が訴える政策は数多くあると思うが、福島の復興を忘れてほしくない」と注文した。
 「政権にとって有利な時期という判断だとすれば、国民不在を感じる」。平田村の主婦関根孝子さん(64)は突然の衆院解散の動きに困惑した。「北朝鮮問題への対応が争点になるだろうが、県民にとって重要なのは復興だ。候補者には県民目線を忘れないでほしい」と訴えた。
 衆院選が行われれば、選挙区の区割り改定で本県3区から4区に編入後初めての選挙となる西郷村。6月の改正公選法成立から半年もたたずに衆院選を迎えることが想定される。同村の会社社長穂積静男さん(67)は「立候補予定者についてまだ詳しく知らないので、誰に投票していいか困ってしまう。村内の投票率は下がるのでは」と分析した。
 郡山市の会社員太田遥子さん(24)は突如吹き始めた解散風に戸惑いの表情を見せた。「何を争点にして候補を選べばいいか分からない。加計学園や森友学園問題の真相も明らかになっていないのに」と胸の内を明かした。
 猪苗代町のホテルマウント磐梯社長の一ノ瀬正一さん(76)は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴う風評の厳しさを肌で感じてきた。「風評と風化に苦しんでいる県民に、政治がしっかりと向き合う機会にしてほしい」と求めた。

■市町村選管 開票所確保が難題
 各市町村選管委の担当者は、突然の衆院解散の動きに困惑した。
 福島市選管委は11月12日告示、19日投開票で行われる市長選に向け、準備を本格化させている。衆院選が10月に行われる場合、職員を衆院選と市長選の2班に分けることが想定されるという。担当者は「現状の体制では対応が難しい。職員を臨時で雇用することも考えなければ」と頭を抱えた。
 開票所の確保も難題だ。市長選の開票所となる市国体記念体育館では、10月22日はプロバスケットボールBリーグ2部の福島ファイヤーボンズの公式戦が行われる。同29日も高校の柔道大会が予定されているという。主催団体に日程変更を求める可能性もあるが「とにかく早く日程を確定させてほしい」と本音を漏らした。
 飯舘村は24日に飯舘村議選の投開票を控える。村選管委の担当者は「村議選からの準備期間が短く大変だが、国政の動きなので仕方ない」と語った。
 投開票の日程の一つとして想定される10月29日は、開票所に使用する予定の村交流センター「ふれ愛館」が村文化祭の会場になっている。担当者は「29日に決まった場合、開票所を考え直さないといけない」と頭を悩ませた。

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