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除染廃棄物焼却 初の広域化 葛尾の施設 3市町村分を減容

 環境省は15日、来月下旬に運転を再開する葛尾村の仮設焼却施設で、田村、三春、川内の3市町村の可燃性除染廃棄物を減容化処理すると発表した。同省が県内に設置、運営する仮設焼却施設での広域処理は初めて。各市町村にある除染廃棄物の仮置き場の早期解消と復興の加速化につなげる。

 仮設焼却施設で処理するのは、3市町村の除染で発生した枝葉など。処理量は田村市分が約5万トン、三春町分が約2万トン、川内村分が約4万トンの計約11万トン。
 当面、葛尾村内の追加除染で出た可燃性廃棄物の処理を進める一方、2018(平成30)年3月から2020年8月まで約2年6カ月をかけて3市町村の廃棄物を処理する方針。焼却処理により10分の1程度まで量を減らせるという。
 焼却灰は当面、施設内の仮設灰保管施設で管理する。中間貯蔵施設の整備状況に応じて順次搬出する予定だ。
 葛尾村の処理施設は2015年4月に運転を開始した。昨年度末までに村内の除染廃棄物や家屋解体ごみを計約10万1000トン焼却し、今年4月から運転を休止していた。一方、3市町村には除染廃棄物用の焼却処理施設がないため、同省が広域処理の受け入れを葛尾村に打診し、調整を進めていた。
 葛尾村の焼却施設敷地境界の空間線量率は処理開始前が毎時1・12~1・61マイクロシーベルト。今年9月時点では1・11~1・32マイクロシーベルト。排ガスや雨水、地下水の放射性物質濃度は全て検出下限値未満で、同省は広域処理による周辺環境への影響はないとしている。
 同日、葛尾村の篠木弘村長が村役場で記者会見し、「3市町村には避難した村民の受け入れなどに恩があり、地域住民や村議会の理解を得られた。3市町村の復興につながってほしい」と語った。田村市の本田仁一市長、三春町の鈴木義孝町長、川内村の遠藤雄幸村長も同席し、「仮置き場撤去の道筋ができた。感謝したい」と話した。
   ◇  ◇ 
 県内では各地に除染廃棄物の仮置き場が整備され、一日も早い解消が課題となっている。同省は中間貯蔵施設への搬入を急ぐが、現時点で市町村別の詳細なスケジュールは示していない。
 一方、除染廃棄物用の仮設焼却施設は葛尾村以外にも南相馬、飯舘、浪江、富岡、楢葉の5市町村に計6つある。仮置き場の早期解消を実現するため、同省は今後、これらの仮設焼却施設についても広域処理の実現可能性を探る方針だ。
 ただ、立地以外の自治体からの除染廃棄物受け入れには地元住民らの反対も予想される。同省は、各施設とも当面は立地市町村内の除染廃棄物を最優先で処理する一方、将来的な広域処理については地元の意見などを踏まえながら慎重に検討したいとしている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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