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看護師不足解消へ連携 来春にも相互派遣制度 南相馬5病院

 南相馬市立総合病院と市内の民間4病院は東日本大震災、東京電力福島第一原発事故後に慢性化した南相馬地方の看護師不足対策として、来年春にも相互に看護師を受け入れ、一定期間勤務して人員不足を補う「看看連携」を始める。人的支援、研修・技術指導を目的に市立総合病院と民間病院間で人材交流を進める。各病院の幹部は実施に向け、具体的な協議に入った。
 民間4病院は大町、小野田、雲雀ケ丘、鹿島厚生の4病院。
 人的支援では、民間4病院に比べて人材確保が進んだ市立総合病院と、民間4病院の看護師を研修目的で期間を区切って相互に派遣して勤務させ、業務負担の軽減を目指す。
 市立総合病院と4病院の若手看護師にとっては互いに技術向上の機会となるほか、それぞれの病院に勤務している実務経験豊かな看護師から患者接遇の在り方、熟達した看護技術を教わる場になると期待されている。市立総合病院では今年度内に人工透析治療を始める計画があり、既に実施している大町、小野田の両病院の看護師から技術を学ぶ方針だ。
 給与体系、休暇日数、福利厚生などは各病院間で異なるため、各病院の看護部長ら幹部は今年夏に「市病院看護管理者会議」を発足させた。勤務期間の設定などを含め詳細な協議を進めている。管理者会議は新規高卒者らに対して看護職の意義を伝えているほか、市主催の合同面接会に就職相談コーナーを設けて、人材発掘に努めている。
 市によると、震災と原発事故後、避難などにより2011(平成23)年3月時点で市内に約530人いた看護師は今年4月現在、約350人まで減少した。現段階では看護師約100人が不足しているという。
 管理者会議の会長を務めている大町病院の藤原珠世看護部長と、市立総合病院の五十嵐里香副院長兼看護部長は「『南相馬は一つ』が合言葉。互いの弱点を補い、公立と民間の枠を超えて地域医療の再生を進めていきたい」と述べた。桜井勝延市長は「市も積極的に協力し、看護師が働きやすい環境をつくりたい」と語った。

カテゴリー:福島第一原発事故

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