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欧米よりアジアで「不安」 国内外風評調査 最多は台湾81% 県産食品

 東京大大学院と福島大などが今年2月、国内外の約1万2500人を対象に行った県産食品の風評に関する調査で、「県産農産物は不安だ」とした回答は欧米よりアジア圏で多くなった。台湾が81・0%で最多となり、韓国69・3%、中国66・3%と続いた。欧米5カ国は20~50%台だった。調査に当たった関係者は「放射性物質検査により安全性は保証されている」と積極的に情報発信すべきだと指摘している。

 5日に東京都内で開かれた東京電力福島第一原発事故の風評被害に関する懇談会の席上、東京大大学院の関谷直也情報学環総合防災情報研究センター特任准教授が報告した。
 国際調査と国内調査に分け、20~60代の男女を対象にインターネットで実施した。国際調査は日本を含むアジアと欧米の計10の国・地域の計3000人、国内調査は県内外の9489人が回答した。過去に同様の手法で実施していた調査の結果も合わせて公表した。
 国際調査で「福島県の農産物は不安だ」と回答した人の割合は【グラフ(1)】の通りで、台湾、韓国、中国が上位3位で60%を上回ったのに対し、ロシアは56・0%、ドイツ55・7%、フランス39・7%、米国35・7%、英国29・3%となった。日本は30・3%だった。
 関谷氏は特にアジア圏で本県のイメージが原発事故直後から回復していないとして、「放射性物質検査の体制や検査結果をより積極的に発信する必要がある」と述べた。懇談会に出席した福島大経済経営学類の小山良太教授(農業経済学)は「原発事故直後と現在で何が変わったのか、政府が諸外国に丁寧に説明することが重要。その上で、県などは新たな市場開拓やブランド形成を進めるべきだ」と訴えた。
 一方、県農産物流通課は調査結果について「東南アジアや欧州連合(EU)などで輸入規制解除が進む一方、近隣諸国に放射性物質検査などの情報が十分に理解されていない」と受け止めている。
 県産食品などの輸入規制を巡り、EUは県産のコメや野菜などを輸入規制の対象から除外した。米国は県産米などの輸入停止措置を継続している。
 アジア圏ではミャンマー、マレーシア、タイ、ベトナムなどがすでに県産食品の輸入規制を解除した。一方、中国と台湾は県産食品など、香港は県産野菜・果実など、韓国とシンガポールは県産水産物などをそれぞれ輸入停止としている。

■放射性物質検査 検出下限値未満 「知らない」年々増
 国内調査では、全量全袋検査などの放射性物質検査で多くの県産農産物と食品の放射性物質濃度が検出下限値未満となっていると知っているか尋ねた。結果は【グラフ(2)】の通り。「知らない」と回答した人の割合は県外、県内ともに年々増加しており、2017年は県外で82・5%、県内では49・7%と半数近くに上った。
 どのような情報があれば、より積極的に県産食品を購入しようと思うか聞いた結果は【グラフ(3)】の通り。「テレビCMなどでイメージで訴えるより、テレビ番組で詳細な特集をするべき」との問いに対しては、「そう思う」と「ややそう思う」が合わせて66・7%。「新聞広告などでイメージを訴えるより、新聞記事で詳細な特集をすべき」との問いは「そう思う」と「ややそう思う」が合わせて63・1%となった。

カテゴリー:福島第一原発事故

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