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福大発 福島の今海外へ 語学研修先で発信

「食」に関する調査結果を発表する16日のイベントに向けて意見を交わす福島大の学生

 福島大は語学研修で連携している海外の大学で福島の魅力や安全性、安全確保に向けた姿などを伝える。福島大の学生が今年夏に5カ国の大学生を対象に初めて実施したアンケートで、食の安全性への理解が進まず、関心が低いことが分かった。今後の交流事業や語学研修時に「福島の今」を伝える時間を設け、各国の次代を担う人材に福島への理解の輪を広げる。
 取り組みのきっかけは、学生が海外で感じた福島への理解不足や関心の低さだった。
 今年夏に渡航したゼミや外国語クラスの学生35人は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興に貢献したいとの思いで初めて「食」をテーマにしたアンケート調査を行った。訪問先はアメリカ、中国、ロシア、韓国、ベトナムの各大学で、合わせて約700人から回答を得た。
 福島大の学生が驚いたのが、食に対する印象だった。「安全か、どうかはどちらともいえない」「検査が実施されていることを知らない」などの声が予想を超えて多かった。海外では震災後の情報に触れる機会が少なく、正しい理解を促す環境にないと痛感した。
 アンケート結果を受けて来年度以降も続ける海外での語学研修などを利用して「福島の今」を発信する。県産食品の検査体制などを説明するとともに、県民の暮らしぶりや復興状況などを学生の視点で伝える。
 継続的な取り組みが重要になるため、学生は訪問先の大学で「東京五輪・パラリンピック」「観光」などテーマを変えてアンケートを実施。次年度に訪問する学生は結果を基にさらに現状を紹介する計画だ。
 福島大側は渡航する学生のために県内の復興状況などを事前に学ぶ機会を設けるなどして伝える側の現状認識や理解促進にも力を注ぎたい考えだ。
 ベトナムを訪れた金子彩花さん(21)=経済経営学類3年=は「検査体制を知っている人ほど安全性について肯定的な意見を持っていた。根拠のある情報を継続して伝えれば風評払拭(ふっしょく)につながるはず」と思いを示した。沼田大輔経済経営学類准教授(40)は「学生同士が交流しながら情報を発信すれば、風評払拭だけでなく、福島大生の見識が深まり、復興に貢献する人材育成にもつながる」と期待している。

■福島大生が訪れた主な大学
【アメリカ】セント・トーマス大
【中  国】広東海洋大
【ロシア】極東国立交通大
【韓  国】中央大学校
【ベトナム】ハノイ国家大、ホアセン大

■米国8割超「県産食品安全」 5カ国アンケート

 アンケートは「東日本大震災について知っているか」「福島県で作られた食品は安全だと思うか」「福島県産の食品が売られていたら買うか」「県産食品が安全か検査していることを知っているか」を5カ国共通で聞いた。
 各国とも震災の認知度は高かった。安全性については、アメリカの8割超が県産食品は安全だとした一方、韓国の7割超が安全ではないとした。中国は7割以上が「どちらともいえない」と答えた。検査体制についてはロシアや韓国の学生の6割以上が「知らない」と回答した。
 結果は教員が分析した上で論文として発表する方針。
 2月にはドイツを訪れる学生が、同様のアンケートを実施する。

■アンケート結果あす福島で発表

 アンケート結果は16日午前11時から福島市のアオウゼで開く「ワールド・キッチン-私たちが見た世界の食文化-」で発表する。
 福島大経済経営学類の主催、同大国際交流センターの共催。学生が今夏訪問したアメリカ、中国、ロシア、韓国、ベトナムにドイツを加えた6カ国の食文化を紹介する。各国料理の試食やスタンプラリーもある。
 参加無料。問い合わせ経済経営学類 電話024(548)8385へ。

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