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「住民の理解必要」 トリチウム処理水放出

廃炉に関する考え方などを菅野村長に説明する更田委員長(中央)。左は田中氏=飯舘村

 原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は14日、東京電力福島第一原発事故で避難区域が設定された飯舘村、川俣町と伊達市を訪れ、首長と意見交換した。飯舘村の菅野典雄村長との懇談では、福島第一原発の廃炉作業で生じたトリチウムを含む処理水について「批判は承知だが、希釈して海洋放出するのが唯一の選択肢だ」との立場を改めて示す一方、「(海洋放出には)住民や消費者の理解が必要」として、実現には十分な風評対策などを講じる必要があるとの考えを強調した。
 廃炉作業の進め方に関しては、溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しなど一時的に高いリスクが生じる作業を挙げ「早く仕上げるべきものと安定した状態を保つべきものを個別に考えたい」とした。廃炉作業を巡る人為的ミスが多いとの村側からの指摘には「膨大な工程があり、どうしてもミスは起きてしまう。なるべく被害が大きくならないよう、一つ一つ反省していきたい」と答えた。
 菅野村長は「村民には全村避難の後遺症があり、今後も世代を超えて不安と戦っていく。われわれが何を次の世代に残せるかを考え、長い目で提案してほしい」と要望した。
 更田氏は終了後、報道陣に対し、トリチウムを含む処理水について「環境に影響が出ないよう放出する上で技術的問題はないが、風評被害も大きな課題だ。東電が風評を含めて福島と向き合えるか注視したい」と話した。また、廃炉作業の工程や内容を自治体や住民に分かりやすく説明する方法が課題だとの認識を示した。
 川俣町では佐藤金正町長から福島第一原発の廃炉を進めるとともに福島第二原発の廃炉を早期に決断するよう要望を受けた。
 伊達市では、仁志田昇司市長が放射線量に応じて3エリアに分けて進めた市内の除染方法や市内の除染廃棄物の保管状況などを説明した。
 更田委員長が本県自治体の首長と懇談するのは9月の就任後初めて。18日に飯舘村へ移住する前委員長の田中俊一氏(福島市出身)が同行した。
 15日は南相馬、川内、葛尾、田村の各市村の首長と面会する。来年1月にかけて浜通りの他市町の首長とも会う予定。

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