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福島に再生医療拠点 全国30社 4月にも協議会設立

 全国の医療機器販売会社や医薬品メーカーは4月にも「ふくしま再生医療産業化協議会(仮称)」を設立し、県内で再生医療産業の拠点づくりに乗り出す。協議会が再生医療に用いる細胞の培養センター・共同開発施設を福島市内に新設し、福島医大との連携を視野に研究開発を進める。協議会には30社程度が参加する予定で、企業の技術やノウハウを結集し、福島から全国へ再生医療製品の安定供給を目指す。

■福医大と連携視野

 がんの再生医療製品を開発・販売するテラ(本社・東京都)、細胞凍結保存液開発・販売のゼノアックリソース(郡山市)、医療機器製造・販売の日本ベクトン・ディッキンソン福島工場(福島市)の3社が協議会事務局を務める。今後、再生医療へのニーズが高まることが予想されることから、連携で研究開発をスピードアップさせる。県内で医療機器産業の集積が進んでいることや福島医大との連携が見込めることなどから、再生医療分野での拠点づくりが可能と判断した。現在、共同開発施設の設置場所を検討している。
 協議会は細胞培養の効率化や培養細胞の搬送方法の研究開発に取り組むほか、再生医療の臨床試験で使う試薬の開発や治療効果の予測なども行う。まず、テラが既に取り組んでいるがんの免疫療法について実用化を目指す。がんの免疫療法では、患者の血液から「免疫の司令塔」と呼ばれる樹状細胞に成長する細胞を採取する。培養設備で樹状細胞にがん抗原を取り込ませ、再び患者に投与する。体内で樹状細胞は効果的にがん細胞を攻撃するのを助ける。
 参加企業は共同開発施設に設備や技術を持ち寄り、テラが取り組む樹状細胞培養の効率化を図る。福島医大や全国の医大、病院と共同研究を進めるほか、大学などから臨床試験・治療用の細胞培養を受託する。
 ゼノアックリソースは培養細胞を傷つけず日本全国に搬送する方法を探る。日本ベクトン・ディッキンソン福島工場は臨床試験などでの評価項目を検討する。将来的にはがん以外への再生医療の研究も進める。培養細胞の安定供給など産業化のめどが立てば大規模な工場設置や海外展開を検討する。県内での雇用創出や医療分野の人材育成を通じて東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興を後押しする。
 ゼノアックリソースの福井真人取締役(41)は「さまざまな細胞の凍結保存に貢献してきた技術を生かし、ふくしま発の新たな産業創出に少しでも貢献したい」と話している。

※再生医療 病気や事故で傷ついたり失ったりした臓器や体の組織を、患者から取り出した細胞や人工の材料を使って修復する医療。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用した治療や、免疫の司令塔と呼ばれる「樹状細胞」を使ったがんの免疫療法などが知られている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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