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【震災から7年】「避難生活」関連死2200人超に 直接死上回る 避難のストレス要因

 県内の市町村が関連死と認定した死者数は2月20日現在、2211人に上り、昨年2月末時点より82人増えた。地震や津波で死亡した直接死の1605人を606人上回り、県内の直接死と関連死、死亡届が出された人を含めた死者数4040人の約55%を占めている。

 市町村別の関連死者数は【グラフ・表】の通り。南相馬市が507人で最も多い。浪江町が414人、富岡町が410人、双葉町が147人と続く。原発事故に伴う避難区域が設定された12市町村が計2003人と大半を占める。

 関連死は避難先での生活環境の変化によるストレスが大きな要因と指摘されている。復興庁は2016(平成28)年4月、被災者の心身のケアを目的に被災者支援総合交付金を創設した。自治体や民間団体などが交付金を受け、被災者の生活支援を展開している。

 関連死の最も多い南相馬市では2011年8月、市社会福祉協議会の生活指導員による見守り活動を始めた。指導員を開始時の13人から現在は28人に増やし、避難者の悩みを聞く体制を強化している。


■孤立防止へ訪問活動 生活支援相談員 ルポ

 震災と原発事故に伴う震災(原発事故)関連死の犠牲になる人が後を絶たない中、長期的に避難している被災者をどう見守るのかが課題となっている。仮設住宅や借り上げ住宅などを訪問している福島市社会福祉協議会の生活支援相談員に同行した。

 厳しい冬の寒さが緩み、春のような日差しが降り注ぐ2月22日の昼下がり。福島市の閑静な住宅街に立つ新築の平屋住宅を生活支援相談員の高橋扶美子さん(50)と円谷幸子さん(52)が訪問した。浪江町から福島市に避難している60代夫婦がついのすみかとして、昨年8月から暮らしている。

 夫婦とは何度も面会している。「体調はいかがですか」「風邪をひいていませんか」。和やかに会話が続く。ふと、妻が顔を曇らせ「ご近所さんとの接点がなかなかなくて」と悩みを打ち明けた。高橋さんらは、じっと耳を傾けた。

 被災者の中には古里への帰還を諦め、避難先で住宅を構えて生活再建に取り組んでいる人がいる。そういった避難者の不安の一つに地域での孤立化があるという。

 隣近所と盛んに交流していた震災前のような生活を再び送りたいとの思いを込め、夫婦は自宅を浪江町の家と全く同じ間取りにした。ただ、これまで縁のなかった地域になじめず、もどかしさを抱えている。

 高橋さんらの訪問は1時間半ほどで終わった。「避難している方と地域住民との橋渡し役を私たちができればいいんだけど...」。高橋さんは市社会福祉協議会の事務所に戻った後、申し訳なさそうにつぶやいた。

 13人いる生活支援相談員は市内に避難している約2300人を対象に二人一組で訪問活動を続けている。現状では避難者の悩みの相談を聞くことが中心となり、地域になじむ活動への支援にまでは手が回らないという。

 震災から間もなく7年となり、被災者の心の復興が今後ますます重要になる。被災者を守るために国はさらなる予算の確保など、相談員の拡充策を打ち出す必要があるのではないだろうか。(社会部・石田沙希)

カテゴリー:震災から7年

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