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復興「実感できる」10人 中・浜通りで肯定的意見 本社首長アンケート(上)

 福島民報社は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から7年を前に、県内全59市町村の首長にアンケートを実施した。復興への実感を問い、10人が「実感できる」、32人が「どちらかと言えば実感できる」とした。除染を終えた中通り、避難指示が解除された浜通りを中心に肯定的な意見が多い。「実感できない」は4人、「どちらかと言えば実感できない」は11人で、一部農産物の出荷制限が続き観光業界が復興途上の会津地方で目立った。

 アンケートは2月28日から3月8日にかけて実施し、全首長の回答を得た。
 「あなたの市町村の復興は進んでいると実感できるか」との問いへの回答結果は【表1】の通り。同じ質問をした2015(平成27)年3月の調査結果と比べ、浜通りの首長を中心に「実感できる」が4人、「どちらかと言えば実感できる」が8人増えた。
 回答理由では、除染土壌の中間貯蔵施設への搬出開始や東北中央自動車道の整備など復興事業が進んだとする声が目立った。「実感できる」とした松本幸英楢葉町長は町の避難指示解除から2年半となる中、「生活環境の整備が進み、徐々にではあるが町内居住者も増加している」とした。
 「どちらかと言えば実感できる」とした石森春男玉川村長は「主に震災復興について実感するが、原発事故からの復興は実感できない部分がある」とし、風評対策の強化を国に求めた。
 「どちらかと言えば実感できない」は2015年時よりも10人、「実感できない」は2人減った。会津地方の17市町村を見ると、「どちらかと言えば実感できない」が8人、「実感できない」が1人の計9人となり自治体数の半数を上回った。星光祥檜枝岐村長は「実感できない」と答えた。「風評が続く厳しい状況の中で先が見えない」とし、農業・観光業への風評の影響を不安視した。
 原発事故で避難区域が設定された市町村の中でも復興への実感に差異が見られた。篠木弘葛尾村長は帰村者が少ないとして、「どちらかと言えば実感できない」を選択した。
 室井照平会津若松市長は「該当なし」と回答。その上で「経済状況で言えば二極化の傾向が見られ、それぞれであるため」と理由を示した。

■国の復興施策への評価 「どちらかと言えば評価」48人
 国の復興施策への評価とその理由も尋ねた。結果は【表2】と【グラフ】の通り。
 「どちらかと言えば評価する」が48人で最多だった。「評価する」は2人。分野別(複数回答)では、「県産品や県内観光への風評対策」が28人、「道路や鉄道など交通網の整備」が26人、「農林水産業の再興」が22人だった。
 「どちらかと言えば評価しない」とした首長は6人いた。理由を分野別(同)で見ると、「県産品や県内観光への風評対策」が5人で最も多く、次いで「農林水産業の再興」が4人、「道路や鉄道など交通網の整備」「医療・福祉施策」各2人などだった。「評価しない」はゼロだった。

■「復興庁延長を」24人 全首長が対応継続求める
 福島民報社が県内全59市町村の首長を対象に実施したアンケートでは、2020年度末に設置期限を迎える復興庁の後継組織の在り方も聞いた。「復興庁の設置期限を延長する」が24人で最も多かった。「復興庁の機能の継承や新しい組織は必要ない」とする回答者はゼロで、全ての首長が設置期限とともに終了する復興・創生期間後も国による震災と原発事故への対応の継続を求めた。

 「福島に特化した新組織をつくる」が21人、「防災と復興を担当する省庁を新設し、復興庁の機能を継承する」が6人、「既存省庁に復興庁の機能を継承する」が5人だった。「その他」は3人で、本田仁一田村市長は復興庁の設置期限を延長した上で主な対応区域を本県とするとの意見を出した。
 期限延長が必要な理由として、風評払拭(ふっしょく)や東京電力福島第一原発の廃炉に向けた体制を継続すべきとの声があった。五十嵐源市磐梯町長は「新たな組織ができるまで時間差が生じる。期限延長が望ましい」とした。
 「福島に特化した新組織をつくる」を選んだ首長からは、帰還困難区域を中心に今後、集中的な取り組みがさらに必要になるとの声が上がった。清水敏男いわき市長は「被災地の課題を直接把握し、連携を密にして課題の解決に取り組める体制構築をお願いしたい」と要望した。

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