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福島医大、被ばく医療人材育成 ロシアの大学と連携へ

 福島医大は2018(平成30)年度、ロシアの大学や研究機関などと連携し、災害・被ばく医療分野の専門人材の育成に乗り出す。国内では今後の原子力災害に備えた態勢づくりが求められており、医師、看護師や救急救命士の資格を持つ医大の大学院生らがロシアで放射線防護などの知見を習得。世界最先端の技能を身に付け、それぞれの職種で指導役として活動してもらう。

 福島医大の医療人材育成の仕組みは【図】の通り。長崎大と共同で取り組み、文部科学省が関連予算を助成する。
 連携するのはロシア最大規模の医大である国立メーチニコフ北西医大。バルト海に面するサンクトペテルブルクにあり、チェルノブイリ原発事故後は被ばくによる人体への影響を研究するとともに、公衆衛生学分野などの人材育成に力を入れている。
 初年度は大学院に福島医大と長崎大が共同設置した「災害・被ばく医療科学共同専攻」の院生20人のうち、救急救命士や看護師の資格を持つ数人を北西医大に数週間ほど派遣する方向で調整している。将来的には派遣対象を医学部、看護学部の学生にも広げたい意向だ。
 院生は北西医大で放射線生物学、放射線防護学などの講義や実習に臨む。チェルノブイリ原発事故による健康影響など最先端の研究成果も学ぶ。
 北西医大に加え、ロシアの放射線医学研究所が院生の研究指導に当たる。福島医大と学術交流しているベラルーシの国立ベラルーシ医大と国立ゴメリ医大は放射線量測定などの実習場所を提供する。国際原子力機関(IAEA)と国際放射線防護委員会(ICRP)も研修生として院生の受け入れに協力する。
 福島医大は院生が派遣に参加しやすいよう、北西医大との単位互換制度を導入する。海外の大学との同制度は初めてで、将来的には北西医大の学位を取得できる体制もつくる方針だ。
 福島医大は「広い視野を備えた復興に貢献する専門家を育成し、県内の被ばく医療体制を充実させる。医大のさらなる国際展開への契機にもしたい」としている。
 東京電力福島第一原発事故発生時、県内の医療現場では被ばく医療分野に詳しい人材が不足し患者の受け入れなどで大きな混乱が生じた。福島医大には災害・被ばく医療を専門とする医師はいるが、看護師や保健師らで中核を担える人材はほとんどいないという。

カテゴリー:福島第一原発事故

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