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藤沼湖決壊慰霊碑を 2021年完成目指す

慰霊碑建設に向けて話し合う柏村さん(左から2人目)ら

 東日本大震災で決壊し、下流域で甚大な被害を出した須賀川市長沼地区の農業用ダム「藤沼湖」。犠牲者を弔う慰霊碑が、地元住民有志によって建てられる。碑に犠牲者の氏名を刻み、追悼の場とするとともに悲劇の風化を防ぐ。3カ年計画で準備を進め、震災から10年となる2021年3月11日の完成を目指す。
 14日、住民9人が市内の北町コミュニティーセンターで会合を開き、「慰霊碑建設委員会」を発足させた。建設場所は協議中だが、最も大きな被害を受けた滝地区の防災公園が有力な候補地となっている。広く寄付を募って建設資金を集めるほか、市の補助金を活用していく方針。今後、被災者や市担当者らと話し合いを重ね、詳細を詰めていく。
 藤沼湖は地震の揺れにより本堤が崩れ、ダム下流の簀ノ子(すのこ)川流域に濁流が押し寄せた。7人が死亡、幼児1人が現在も行方不明となっている。市によると、22戸が全壊、床上・床下浸水は52戸に上った。
 県が2013(平成25)年10月にダムの再建工事に着手し、昨年4月に農業用水の供給を再開した。安全性を確認した上で、来年春にも市に運営を移管する。

■「風化に立ち向かう」 建設委員長の柏村さん
 「犠牲者の冥福を祈る場にふさわしい慰霊碑を作っていきたい」。慰霊碑建設委員長の柏村国博さん(63)は、東日本大震災から7年を経て動きだした慰霊碑建設に向け、決意を語る。
 震災後、遺族から慰霊碑建立を願う声が上がっていた。長沼地区内で話し合いが何度か持たれたが、住民全体が納得する結論が得られなかった。
 追悼する場がなければ藤沼湖決壊の記憶の風化が進んでしまう-。長沼行政区長を務め、危機感を抱いた柏村さんは、甚大な被害を受けた滝地区で行政区長を務めていた鈴木勝美さん(62)と、「被災者の会」会長である森清道さん(62)に声を掛けた。小中学校の同級生だった縁もあり、話し合いが進んだ。趣旨に賛同する有志も集まり、被災者の理解も得られた。鈴木さんは建設委員会の副委員長、森さんは事務局を担う。
 柏村さんは「地域が風化に立ち向かわないといけない。被災者に寄り添いながら、計画を進めたい」と話す。

カテゴリー:福島第一原発事故

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