東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

毎時0.23マイクロシーベルト見直さず 国の放射線審議会が方針

 東京電力福島第一原発事故後、事実上の安全基準として浸透している空間放射線量「毎時0・23マイクロシーベルト」が、事故による年間の追加被ばく線量1ミリシーベルトを示す基準として妥当かどうか議論している国の放射線審議会(会長・神谷研二広島大副学長、福島医大副学長)は、基準値を見直さない方針を固めた。22日に東京都内で開いた会合で、方向性を示した。審議会は基準変更による混乱を懸念したとみられる。
 審議会は次回会合で取りまとめ案を示す予定。具体的な数値には触れず、除染の長期目標について政府は個人の被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下としており、一定の生活パターンを想定した計算式に当てはめると、1時間当たりの空間線量は0・23マイクロシーベルトとなり、「より安全側に立った数値だった」との評価にとどめる見通し。これまでの会合で委員から「本来は除染する地域を決めるための数値だったが、独り歩きしている」として再検討の必要性が指摘されていた。
 22日の会合では、「事故後の基準の在り方を考え直すのが、原発事故の大きな教訓」(甲斐倫明大分県立看護科学大教授)、「今回の事故は、期間を定めて数値を見直すべきだったが、思うようにできなかった」(神谷会長)などの意見が出されたが、新たな数値設定を求める声はなかった。
 0・23マイクロシーベルトを巡っては、原子力規制委の更田(ふけた)豊志委員長が今年1月、「実際に線量計を付けると、毎時1マイクロシーベルトの場所に居住しても年間被ばく線量は1ミリシーベルト以下になる」と指摘。「数値は事故当初に手探りの状況下で設定された。きちんと改めないと復興や住民帰還を阻害する」と述べ、見直しに向けた議論が本格化した。
 更田委員長の発言を受け、伊藤忠彦環境副大臣は「審議会の検討を注視したい」、内堀雅雄知事は「原子力規制庁と環境省で検討すべき」との見解を示していた。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧