東日本大震災

「あなたを忘れない」アーカイブ

 一人でも多くの方の「生きた証し」を後世に伝えられるよう、犠牲となった人々について県民の皆さまに情報の提供をお願いします。

福島民報社編集局「あなたを忘れない取材班」
 電話    024(531)4122
 ファクス  024(533)4128
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金婚式の写真宝物

■南相馬市鹿島区北右田 竹花精さん 74  「おまえがいなくては何もできない」。精(つとめ)さんは10年前、膝を手術した妻義子さん(76)の治療とリハビリのため、自宅と病院を往復する日々を続けた。夫婦でコメ作りに励み、2人の子どもを授かった。昨年3月...[記事全文

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元気に温泉めぐり

■南相馬市小高区岡田 佐藤チヨ子さん 88  浪江町に生まれ、昭和17年に嫁いでからは養蚕と稲作を手伝った。毎年5月の連休に市内や宮城県から遊びに来るひ孫と苗箱を洗うのを楽しみにしていた。  明るくさばさばした性格で、自宅は近所の友人が集まる場所だっ...[記事全文

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礼儀正しく気さく

■南相馬市原町区萱浜 新川由布子さん 60  川崎市に住む一人娘美紀さん(28)宅を頻繁に訪れ、孫の寛倖ちゃん(2つ)をかわいがっていた。昨年3月13日にも遊びに行く予定だった。  夫の広光さん(61)と自宅の2階にいて波にさらわれた。広光さんは2日...[記事全文

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4人家族、絆強く 祖母助けに戻り被災

■南相馬市原町区下渋佐 矢野馬 光男さん(54) トヨ子さん(54) 宏さん(29) カツエさん(79)  矢野馬(やのま)さん方は4人暮らしで、光男さんは産業支援などに取り組む「ゆめサポート南相馬」に勤務する傍ら、自宅で野菜やコメを作っていた。妻ト...[記事全文

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約束はディズニー旅行

■南相馬市鹿島区烏崎 目黒拓也さん(25)  「ゴールデンウイークには一緒にディズニーランドに行こうね」  震災が起きる前、妻育美さん(27)、長女梨奈ちゃん(5つ)、長男颯人(はやと)ちゃん(2つ)と約束した。子どもたちはその日を心待ちにしていた。...[記事全文

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会社支えた妻、娘 再興、霊前に誓う

■南相馬市鹿島区南右田 大久保光子さん(69) 里美さん(37)  光子さんは、自宅に併設した建材会社を夫の宏さん(70)と切り盛りしてきた。事務の仕事を取り仕切り、長女の里美さんが手伝った。震災の日、光子さんと里美さんは業務で市内に出掛け、会社に戻...[記事全文

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下駄や雪駄姿 有機栽培に情熱

■南相馬市小高区村上 横山良一さん(72)  コメの有機栽培に情熱を注ぎ、3ヘクタール余りを作付けしてきた。母方の実家が下駄屋だったことから、下駄や雪駄(せった)を冬でも好んで履いた。良一さんのトレードマークとして地域に親しまれた。世話好きで、村上行...[記事全文

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丁寧な農作業 息子4人育てる

■南相馬市小高区村上 松本アイさん(82)  昭和4年、乾物を扱う商家に生まれた。農業を営む夫与市さん(83)の元に嫁いで以降、60年以上にわたって夫婦で手をたずさえ、約3ヘクタールの水田を耕してきた。  与市さんは一時、近海漁にも従事していた。漁に...[記事全文

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「村上の田植踊」保存、指導に力

■南相馬市小高区村上 中島久子さん(74)  村上に生まれ、村上で育った。郷土に伝わる「村上の田植踊」の保存会長を務め、地元の福浦小で子どもたちへの踊りの指導に励んできた。  「子どもたちからもらったお礼のはがきを大事そうに見詰めていたな」。夫の功喜...[記事全文

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仲良し、最後まで一緒

■いわき市岩間町 佐川三郎さん(82) アヤさん(79)  夫婦で言いたいことを言い合い、年を重ねるごとに仲良くなった。夏には自宅前の砂浜で孫と花火を楽しんでいた。  三郎さんは断熱や配管関係の仕事をし、定年退職後はアヤさんと2人で農業に励んだ。震災...[記事全文

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家族第一の穏やかな母

■いわき市岩間町 坂本春江さん(83)  毎日朝から夕方まで農作業や家畜の世話に励み、3人の息子を育てた。大海原が目の前に広がる岩間町をこよなく愛した。夫の四郎さん(84)、長男進一さん(55)と、進一さんの元に嫁いだ香さん(44)の4人で暮らしてい...[記事全文

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笑顔絶やさぬ太陽 「一番愛しているのは美沙」

■相馬市磯部 河西美沙さん(21)  昨年3月11日、相馬市磯部地区に大津波が押し寄せ、家々をなぎ倒した。多くの住民が幸せな暮らしを奪われた。  同地区の河西美沙さんは震災後、市内の会社を出て自宅に向かったのを最後に行方が分からなくなった。「美沙、美...[記事全文

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祖父母思いの13歳 夫婦、孫に愛情注ぐ

■浪江町請戸 衣山大生君(13) 森さん(72) 征子さん(66)  大生君はおじいちゃん、おばあちゃん子だった。地震直後、近所の同級生が「一緒に逃げよう」と声を掛けたが、大生君は「おばあちゃんと後で逃げる」と自宅に残った。「無理矢理にでも連れて一緒...[記事全文

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兄は腕利きの漁師 面倒見良かった弟

■相馬市原釜 桜井芳男さん(61) 広さん(50)  芳男さんは腕利きの漁師だった。船の上では厳しいが、いったん陸(おか)に上がると笑顔を絶やさない頼れる存在だった。  責任感が強い人柄を裏付けるように震災後は長男の妻美穂さん(35)、父茂さん(85...[記事全文

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神楽継承に力

■相馬市原釜 石橋雅彰さん(62)  地区に伝わる伝統芸能を後世に伝えたい一心で、原釜神楽保存会代表を務めていた。相馬市原釜地区の津神社で毎年4月に行われる原釜神楽。住民が太鼓や歌、笛、踊りを奉納する中、10代のころから原釜太鼓を演じ、祭りを支えてき...[記事全文

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第2の人生満喫

■相馬市原釜 菊地完さん(78)  5年ほど前まで地元の漁師として働いた。底引き船で出港し、60年近く主に近海魚を捕っていた。  漁を長男に託した後は友人と一緒に旅行に出掛けたり、花札で遊んだりして、のんびりと第2の人生を満喫していた。愛犬「ごんた」...[記事全文

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書斎で静かに読書 社交的で料理好き

■相馬市原釜 佐藤清さん(86) ルイコさん(84)  清さんは元公務員。厳しく頑固な一面もあったというが、普段は書斎で静かに読書にふけったり、笑顔で趣味の庭木の剪定(せんてい)をしたりと穏やかな日々を送っていた。  清さんの妻ルイコさんは社交的で多...[記事全文

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田植え踊り名人

■南相馬市小高区村上 中島久子さん(74)  自宅に1人でいた時、津波に襲われた。震災の約1カ月後、自宅から約200メートル離れた場所で見つかった。  夫の功喜さん、長男夫婦、孫3人に囲まれ、幸せな日々を送っていた。地区に伝わる田植え踊りの名人で、小...[記事全文

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働き者の芸達者

■南相馬市小高区浦尻 佐藤トキ子さん(85)  明るい性格で働き者だった。農業などに携わりながら、7人の子どもを育てた。  歌や踊りがうまく芸達者だった。宴会などで、よく踊りの披露を周囲にせがまれたという。老人会に積極的に参加し、年に2回の旅行を楽し...[記事全文

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将棋などに没頭 体育振興に努力

■新地町大戸浜 門馬清さん(68) みよ子さん(61)  清さんは電気関係の会社を定年後、将棋などの趣味に没頭していた。漁師の友人から魚をもらっては兄義一さん(82)宅を訪れ、杯を交わしながら刺し身を口に運んだ。曲がったことが嫌いで、面倒見の良い性格...[記事全文

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4男2女育て上げる 笑顔絶やさず母介護

■いわき市久之浜町 新妻栄子さん(89) 玲子さん(58)  震災当日、2人は自宅で津波に巻き込まれた。海水が天井近くまで達し、寝たきりの栄子さんはベットごと浮いた。長女玲子さんはがれきの下敷きになった。  一緒にいた長男一男さん(68)が玲子さんを...[記事全文

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「おしどり夫婦」 一緒にドライブ 庭手入れ楽しむ

■いわき市平豊間 長谷川功さん(53) 恵美子さん(50) ツヤコさん(78)  功さんと恵美子さんは近所で評判のおしどり夫婦。よく仲良く手をつないで出掛けていた。震災当日、功さんは休日で恵美子さん、母のツヤコさんの3人で一緒に自宅にいたとみられる。...[記事全文

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父親と避難途中に津波遭遇 明るい夫婦 2男2女育てる

■いわき市平豊間 近藤久弥さん(89) 繁盛さん(52) 康子さん(41)  震災当日は海まで徒歩1分ほどの海岸沿いの自宅にいた。津波の危険を感じ、避難するため繁盛さん、康子さん夫婦が父久弥さんを車に乗せる寸前に3人で津波に襲われた。  10日後の2...[記事全文

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サケと桜 愛する

■富岡町小浜 猪狩功さん(73)  富岡川鮭繁殖漁協組合長を30年余にわたり務めていた。毎年、富岡川のサケが戻ってくることを楽しみにしていた。地元の小学生に稚魚の放流体験をさせることもあったという。生まれも育ちも富岡町で、幼少のころから川や海、山を駆...[記事全文

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「命守る」と水門閉めに

■南相馬市原町区下渋佐 桜田房信さん(69)  南相馬市原町区の渋佐川は、真野川に合流し太平洋に注ぐ。渋佐川の水門管理という役目に誇りを持ち、人一倍責任感が強かった。  市内馬場の山中で木材運搬車を修理している最中、震災が発生した。「津波が来るぞ」。...[記事全文

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コメうまいと好評 庭や畑で花眺める 母思い家事手伝う

■南相馬市鹿島区寺内 五賀光久さん(76)  南相馬市鹿島区南右田 五賀文子さん(75) 陽子さん(25)  「春の田植えは家族そろって作業した。休憩中はにぎやかでまるで、遠足気分。1年で一番楽しい時間だった」。光久さんの長女久子さん(53)は毎春の...[記事全文

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左官一筋に45年

■南相馬市小高区村上 西川秀行さん(59)  地元の中学を卒業以来、45年にわたって左官業にひたすら取り組んだ。妻美保子さん(55)とは、同じ左官業を営んでいた美保子さんの父親が仕事ぶりを気に入り昭和52年に結婚。34年間、手を携えながら一男一女を育...[記事全文

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地域のリーダー

■南相馬市小高区角部内 内城勲さん(79)  コメ、養蚕業を中心とした農業に従事した。まじめな性格で、地域のリーダーとして信頼も厚く、農業団体の役員も務めた。妻のマサさん(80)や近隣の農家の仲間と北海道や九州、四国の霊場などを訪ね歩くのが楽しみだっ...[記事全文

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結婚記念日一転

■浪江町請戸 吉田一夫さん(63)  震災の起きた昨年3月11日は、夫妻の39回目の結婚記念日だった。  当日は前年秋に骨折した右足のリハビリのため、大熊町の大野病院を受診した。車で帰宅する途中に津波に巻き込まれたとみられる。健康で病院とは縁遠かった...[記事全文

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地域で評判の理容師 「3代目」の志半ばに 7人の子ども育てる

■相馬市磯部 天沼 誠一さん(60)           真也さん(26)           キャウさん(86)  誠一さんと妻みどりさん(52)が営む天沼理容所は「とれにくいパーマがいい」と好評で、いつも常連客でにぎわっていた。先代から受け継ぎ...[記事全文

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100歳を目前に...

■相馬市原釜 南部シサヨさん(99)  昨年1月に99歳を迎えたシサヨさんは、子ども3人、孫7人、ひ孫9人に恵まれた。買い物や食事など身の回りのことは全て自分でこなした。1日1回は近くの公園まで散歩していた。90歳を過ぎてもひ孫の面倒を見たり、再利用...[記事全文

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住民を避難誘導

■相馬市磯部 荒秀和さん(44)  26年にわたり磯部地区の消防団員を務め、震災が起きた昨年3月末に退団する予定だった。強い揺れを感じると、勤め先から自宅に戻り、身仕度して家を飛び出した。「最後のご奉公だな」。父良之さん(80)、母ハルミさん(71)...[記事全文

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2人の男の子毎日お風呂に

■双葉町郡山 佐藤健一さん(41)  震災当日は、本来の勤務先の楢葉町の楢葉郵便局ではなく、浪江町の請戸郵便局で仕事をしていた。震災後、行方不明となった。  双葉町で両親と妻、2人の子どもと6人暮らしだった。身長180センチ。ソフトテニスに打ち込み、...[記事全文

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孫の着物手作り

■いわき市岩間町 中村つたさん(91)  手先が器用で、若いころから和裁や編み物が得意だった。孫の七五三の着物など何でも手作りした。折り紙も好きで、遺影のそばには折り紙で作った、のれんが置いてある。  平成19年に夫を亡くしてからは、夫が開墾した畑で...[記事全文

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最後の言葉 命救う 家族思い 優しい大黒柱

■南相馬市鹿島区  門馬 孝文さん=当時35=  礼次郎さん=当時63=  美津子さん=当時56=    夫の最後の言葉が、妻と3人の娘を救った。「ラジオつけとけよ」。南相馬市鹿島区南右田の門馬孝文さんが消防団活動に向かう直前、妻麻野さん(33)に声...[記事全文

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携帯に「ありがとう」 直前に母と最後の昼食

■新地町駒ケ嶺 菅野瑞姫さん=当時18=  昨年秋の明け方、新地町駒ケ嶺の菅野真津子さん(44)は長女瑞姫さんの夢を見た。つぶらな瞳がいとおしかった。悲しみから抜け出せない自分をそっと抱き締めてくれた。何を話したのかは覚えていない。ただ、温かな感覚は...[記事全文

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わんぱく 家の太陽 ランドセル父の贈り物

■斎藤翔太君=当時5つ= 南相馬市小高区  やんちゃでいつも家の中を走り回っていた。たんすの扉に足の指を挟み、大けがもした。5つ年上の兄拓人(ひろと)君(11)と、いつも一緒に遊んでいた。「ひろ、ひろ」とまとわりついては、よくけんかをした。  「手...[記事全文

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パティシエ夢見る 携帯画像に誕生日ケーキ

■南相馬市鹿島区  田村美咲さん =当時17=  充さん =当時56=  勝美さん =当時82=  スサエさん=当時78=  「おかあのマドレーヌがきっかけなんだよ」。南相馬市鹿島区南右田の田村美咲さんが中学生だったある日、うれしそうに話した言葉を母...[記事全文

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近所に野菜提供 一代で会社築く

■いわき市平豊間 菅波サタヨさん =当時84= 恒易さん =当時62=  サタヨさんは、友人らと近所の温泉に通うなど充実した日々を過ごしていた。自宅近くの畑ではキュウリやナスなど、さまざまな野菜を育てては近所に振る舞っていた。買い物帰りの途中、津波に...[記事全文

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最後に夫へ感謝

■浪江町請戸 熊川洋子さん =当時72=  夫の勝さん(74)は震災後、急いで浪江町請戸の自宅に戻った。膝の悪い洋子さんは一階の茶の間で1人おびえていた。外に出ると、黒い壁のような津波が押し寄せていた。  勝さんは洋子さんの手を引き、2階の踊り場まで...[記事全文

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責任感強い店長 家庭で花育てる

■いわき市久之浜町金ケ沢 北郷正明さん =当時47= 澄子さん =当時71=  広野町のショッピングセンターアイアイの店長を務めていた正明さんは妻和可子さん(51)ら社員を高台にある広野小に避難させた後、母澄子さんがいる自宅に向かった。「俺ちょっと家...[記事全文

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勤勉に工場経営 祭りで歌声披露

■いわき市久之浜町 浅川洋さん =当時77= 初枝さん =当時75=  震災当時、自宅に2人でいて津波にのまれたとみられる。初枝さんは翌日、洋さんは8日後に自宅近くのがれきの中から見つかった。  洋さんは機械部品の工場を営み、歴史をひもとき地図を眺め...[記事全文

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気立て良い店主 母の仕事手伝う

■南相馬市鹿島区南右田 鎌田哲子さん =当時76= 深敏さん =当時27=  哲子さんは、海岸から1・6キロ離れた自宅から避難しようとした際、津波にのまれた。哲子さんの長女で、孫深敏さんの母光子さん(53)も流されたが、奇跡的に助かった。  哲子さん...[記事全文

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女手一つで育児 友多い優しい子

■南相馬市原町区萱浜 高橋美代子さん =当時49= 麻実さん =当時18=  生命保険会社に約20年間勤めていた美代子さんは家族の大黒柱。10年ほど前に離婚後、一男一女を女手一つで育て上げた。  三姉妹の次女で、負けず嫌いで男勝りな性格。多忙な毎日で...[記事全文

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夫婦旅行楽しむ

■相馬市磯部 柴田義康さん =当時75= ツル子さん =当時69=  関東出身の義康さんはツル子さんの地元の相馬市に移り住んだ。漁船の修理やメンテナンスを行う会社をつくり、義康さんが現場、ツル子さんが事務を担当していた。  義康さんは面倒見が良く、周...[記事全文

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魚捕りと海愛す

■新地町今泉 菅野賀一さん =当時78=  きちょうめんで働き者。昔ながらの頑固さを備えていた。農家としてコメやイチジクなどを作っていた。  海を愛し、趣味は魚捕りだった。主にアイナメなどを捕まえてはよく自宅に持ち帰り、家族に振る舞った。  まめで手...[記事全文

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漁師の宝 船とともに

■新地町大戸浜 小野常吉さん =当時56=  「あんちゃん、機械が止まった。どうにもならない。津波が来た」。新地町の漁師常吉さんとの最後の無線交信を、兄の漁師春雄さん(60)は鮮明に覚えている。船ごと海にのまれた常吉さんは一週間後、相馬港で見つかった...[記事全文

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優しい祖母思い

■新地町今泉 菅野克己さん =当時18=  新地高ではバドミントンに熱中し、部活動の主将を務めた。部活動のほか、社会人も所属しているクラブにも参加し練習に励んだ。  高校卒業後は製紙会社への就職が決まっていた。会社にはバドミントン部がないと聞き、自分...[記事全文

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サッカーに情熱

■新地町駒ケ嶺 志藤彰太さん =当時18=  小学校からサッカーを始め、新地高でもサッカー部を3年間続けてレギュラーとして活躍した。  優しくて素直な性格で多くの友人に恵まれた。高校卒業後はパソコンを学ぶために専門学校への進学が決まっていた。1月から...[記事全文

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孫5人 愛情注ぐ

■新地町大戸浜 寺島清二さん =当時64= チヨさん =当時66=  古里の海を愛した漁師の清二さんは、自慢の「第二清運丸」でカレイ、ホッキ貝などを求めて海に繰り出していた。歌も好きで知人の結婚式でマイクを握るほど。漁に使う網作りには演歌のBGMが欠...[記事全文

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若武者野馬追誇り 「蒔田の旗印守らねば」

■南相馬市小高区 蒔田匠馬さん=当時20=  いつもの穏やかな表情だった。ふっと目を開けるような気がする。  昨年3月25日夜、南相馬市原町区の遺体安置所。同市小高区岡田、蒔田匠馬(まきた・しょうま)さんが静かに眠っていた。同日午前9時42分、原町区...[記事全文

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母の日 仏壇に花 「育ててくれてありがとう」

■新地町谷地小屋釣師 伊藤るみ子さん=当時51=  新地町の仮設住宅。13日の「母の日」を前に、看護師伊藤るみ子さんの仏壇に、次女の恵さん(29)がそっとカーネーションを供えた。  「お母さんがいなければ今の私はいない。本当に、育ててくれてありがとう...[記事全文

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花屋目指した16歳 「しっかり者、妹思い」

■高橋愛さん=当時16= いわき市田人町石住字貝屋  色とりどりの花が供えられた仮の仏壇に、はにかんだような表情を浮かべる少女の写真が置かれている。いわき市田人町石住字貝屋の高橋愛さんは昨年4月11日、東日本大震災の大規模余震に伴う土砂崩れに巻き込ま...[記事全文

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5月人形 孫に残す 遊び盛り、成長を報告

■渡辺豊さん=当時50= 楢葉町波倉  「じいじ、じいじ」。祖父の遺影に、かわいい小さな手が伸びる。末永悠真(ゆうま)ちゃん(1つ)は渡辺豊さんにとって初孫。東日本大震災の11カ月ほど前、長女の末永舞さん(24)の元に生まれた。日々成長し、今では話せ...[記事全文

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貫いた家族への愛 2人の息子に重なる面影

■斎藤拓也さん=当時30= いわき市平豊間  東日本大震災の前日、昨年3月10日は、いわき市平豊間の会社員斎藤拓也さんと妻利江さん(32)の結婚10年目の記念日だった。  当日は拓也さんの帰りが遅く、いつの間にか眠ってしまった利江さん。「ケーキを買っ...[記事全文

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家庭照らした初孫 純白の花「天から見てね」

■南相馬市小高区 叶恵莉奈ちゃん=当時2= 由美さん=当時42=  大津波で押し寄せた水が住宅のあった場所を、田んぼを、畑を覆い尽くしていた。  東日本大震災から1カ月余が過ぎた昨年4月26日の南相馬市小高区井田川地区。水に沈む軽乗用車の中から幼い女...[記事全文

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愛の証し色あせず 妻に編みかけのマフラー

■相馬市原釜 佐藤宇紀さん=当時20=  みんなに慕われる心優しい青年だった。愛する人と結ばれ、父親になる目前だった。東日本大震災が発生した昨年3月11日、相馬市原釜の会社員佐藤宇紀(たかのり)さんは高台に避難した後、近所のお年寄りを助けるために駆け...[記事全文

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家族の絆「野馬追出場が供養」 最愛の4人失う

■鹿島の菅野長八さん(60)   「家族が息を引き取るとき、助けを求めていたのではないか。1年が過ぎても眠れないことが多い」。南相馬市鹿島区の会社員菅野長八さん(60)は追悼式の祭壇で、涙をこらえながら、癒えない胸の痛みを明かした。  5人家族のうち...[記事全文

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ポケットに春の恵み 「姉思い摘んだのでしょう」

■白河市大信 鈴木千代子さん=当時81=  「もう少し長い時間、散歩していたなら、巻き込まれなかったかもしれないのに...」。東日本大震災による地滑りで犠牲となった白河市大信隈戸の鈴木千代子さんの遺影を見詰め、長女の北野亮子さん(60)はつぶやいた。...[記事全文

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生涯 民謡とともに 歌い方習っておくんだった

■南相馬市原町区 山本三義さん=当時73=  南相馬市萱浜の海を臨む墓地。時折、肌を刺す浜風が吹き抜ける。東日本大震災の津波で多くの墓石が流され、いまだ痛々しい姿をさらす。  かすかに波音が聞こえる。静寂の中、中央付近に立つ墓標。その下に、誰よりも民...[記事全文

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優しさあふれた厳父 自慢のたくあんもう二度と

■いわき市岩間 小野静一さん=当時73=  いわき市岩間町で津波の犠牲になり火葬された小野静一さんのひつぎには砂が高温で溶けたようなどろりとしたガラス状の痕跡が残っていた。長男浩さん(44)は父の最期を思うと、今も悔しさが込み上げる。「海水と一緒に砂...[記事全文

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働き者、弱さ見せず 抱き締めた母 小さく感じた

■須賀川市長沼 和智さつきさん=当時86=  須賀川市長沼の農業用ダム「藤沼湖」。東日本大震災で決壊し、下流の家々を濁流がのみ込んだ。荒れ狂う水は川をえぐり、土を剥ぎ取り、昨年、地域の稲穂が首を垂れることはなかった。  湖近くの借り上げ住宅に、住まい...[記事全文

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人命救助任務全う 息子褒めてやりたい

■浪江町請戸 渡辺潤也さん=当時36=  浪江町請戸地区は東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた。町消防団員として住民の避難誘導に当たった理容師渡辺潤也さんの行方はいまだ分かっていない。  家族に車で町役場へ避難するよう指示をすると、他の団員と共...[記事全文

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情厚く、友に愛され 「何気ない話をしたい」

■南相馬市鹿島区 中川康弘さん=当時63=  南相馬市鹿島区の仮設住宅。電気ポットの湯が沸く音がかすかに聞こえる。壁のボードには仕事や登山、ボウリングなどのスナップ写真-。同区烏崎の元南相馬市副市長中川康弘さんの笑顔が並ぶ。  妻惠美子さん(64)と...[記事全文

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仕事一筋、妻気遣う 最後まで添い遂げられたね

■いわき市平豊間 金成年泰さん=当時77=  「食べ物商売は3日以上休んじゃならない」。いわき市平豊間のかまぼこ製造業「金成食品工業」を一代で築いた金成年泰さんは、いつも周りに言っていた。無口で、頑固で、愚直にかまぼこを作り続けた。津波に巻き込まれた...[記事全文

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家族愛貫いた夫婦 「次男助けたい一心で」

■いわき市平豊間 鈴木克典さん=当時42= 久美子さん=当時42=  いわき市平豊間の鈴木克典さん=当時(42)=と妻久美子さん=当時(42)=は自宅まで1キロ足らずの薄磯地区で津波にさらわれた。「自宅に1人残した次男を助けたい一心だったのでしょう」...[記事全文

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温厚な棋界の裏方 天から県本因坊戦見守って

■南相馬市鹿島区 阿部友宏さん=当時56=  囲碁をたしなみ腕に覚えのあるアマチュア有段者なら誰でも出場を夢見る県本因坊戦。昨年の第59回は東日本大震災翌日の3月12、13の両日、福島市飯坂町で開催予定だった。  3年ぶり3回目の出場を翌日に控え南相...[記事全文

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命懸けで水門管理 「自分より人を思いやる」

■浪江町棚塩 鈴木謙太郎さん=当時64=  海面とほぼ同じ高さにある福島県浪江町棚塩地区。農地は度々、高潮の被害に遭ってきた。海とつながる水路には、海水が逆流しあふれるのを防ぐ水門が建設された。  自宅が海から500メートルほど離れた場所にある花木生...[記事全文

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漁師支え続けた妻 「31年間、ありがとな...」

■相馬市原釜 佐藤けい子さん=当時51=  「お父さん、お父さん、お父さん」  昨年3月11日、太平洋沖から押し寄せた真っ黒な波が相馬市原釜の主婦佐藤けい子さん=当時(51)=の自宅を押しつぶした。津波の様子を見に近所の三階建ての食堂に向かった夫の漁...[記事全文

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