~年輪 刻んで~ ふくしまの名木

  • Check

(13)天に向け広げる両腕 泉の一葉松(南相馬市)

【写真】二葉の中に一葉を交える貴重な泉の一葉松。長者と弁慶の伝説も残っている。

 南相馬市原町区泉の閑静な水田地帯に立つ。推定樹齢は約400年で、東西に大きく枝を張る姿は、まるで両腕を広げて伸びをしているかのようだ。
 高さ約9メートル、根回り約3メートル、太さ約2.7メートル。大正時代まで2本あったが、1本は枯死し、現在は1本だけとなった。1本の木で二葉と一葉が交じっている珍しいクロマツで、「学術上貴重である」として昭和30年に県の天然記念物に指定された。
 酒のわく「泉」を見つけ、莫大(ばくだい)な富を築いた長者とマツにまつわる伝説も残る。源義経が奥州下向の際、長者が後々の災いになるとして武蔵坊弁慶に屋敷を焼き払わせたという言い伝えで、弁慶は燃えさかる大伽藍(がらん)をマツに腰掛けて悠々と眺めていたとされる。この伝説から別名「弁慶の腰掛松」とも呼ばれる。
 泉地区には奈良~平安時代の古代陸奥国行方(なめかた)郡の役所跡とされる「泉官衙(かんが)遺跡」もある。今年2月には国史跡に指定され、一葉松とともに地域の宝だ。
 泉行政区長の佐藤忠俊さん(69)は「一葉松は弁慶松として地域に親しまれている。これからも行政と協力して大切に保存していきたい」と老松を見上げる。

<ガイド>
・所在地=南相馬市原町区泉字町池499
・アクセス=道の駅「南相馬」から車で約10分
・駐車場=あり
・トイレ=なし
・問い合わせ=市教委文化財課 ☎0244(24)5284。

~年輪 刻んで~ ふくしまの名木の最新記事

>> 一覧