~年輪 刻んで~ ふくしまの名木

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(58)鳥居に寄り添う大樹 伊勢大御神のヒイラギ(南相馬市)

伊勢大御神の参道脇に生育するヒイラギ。樹齢150年を超えるのは珍しいという。

 南相馬市鹿島区にある伊勢大御神(いせおおみかみ)の鳥居に寄り添うように立つ。日差しを受けた葉がつややかな光を放つ。樹高は13.6メートル、幹回りは3.8メートルある。樹齢は150年といわれ、樹勢は今なお盛んだ。

 神社は正長元年(1428年)、三重県の伊勢神宮から分祠(ぶんし)して創建された。300年以上前の江戸時代、当時の宮司が境内に植樹した苗の子孫という言い伝えもある。平成7年に旧鹿島町(現南相馬市)の天然記念物に指定された。

 若葉には、のこぎりのような凹凸がある。一方、先端まで伸びる多くの葉は丸みを帯びている。禰宜(ねぎ)の森幸彦さん(53)は「人も年を重ねると丸くなるんだよと、神様が教えてくれているかのよう」と参拝客に話し掛ける。

 氏子は傷んだ枝に支柱を設けるなどして、長年にわたり世話をしてきた。毎年10月に行われる神社の例大祭には氏子が集い、老木をめでながら酒を酌み交わして親交を深める。

 東日本大震災を経て、初夏には白い花を雪のように境内に散らした。森さんは「若い人が戻って来られるような活力ある地域になってほしい」と生命力あふれるヒイラギに思いを託す。

<ガイド>
 ・所在地=南相馬市鹿島区南柚木字水神下241
 ・アクセス=JR常磐線鹿島駅から車で約10分
 ・駐車場=あり
 ・トイレ=なし
 ・問い合わせ=市教育委員会文化財課 ☎0244(24)5284

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