~年輪 刻んで~ ふくしまの名木

  • Check

(79)地面つかむ多くの根 小林の大カシ(南相馬市)

小林さん方の敷地内に立つカシの巨木。何本もの太い根が地面を力強くつかむ

 居久根(いぐね)と呼ばれる、屋敷周りを木々で囲った集落が点在する南相馬市鹿島区の小池地区。その一角にある農業小林吉久さん(74)方に、2本のカシの巨木が母屋を守るかのように立つ。樹齢は約500年ともいわれる。木肌が荒々しく隆起し、根はしっかりと大地をつかむ。

 東側に立つカシは、高さが20メートル、幹回りが5メートル、西側は、高さが21メートル、幹回りが4メートルある。数百年にわたって水を集めて大樹となった。いつしか木の周囲が水源となり、湧き出る清水が地域の暮らしを支えてきた。昭和58年2月に県の緑の文化財に選定され、平成13年6月に旧鹿島町(現南相馬市)の天然記念物に指定された。

 鎌倉時代後期に奥州相馬氏が下総国(現在の千葉県)から南相馬市小高区に移り、居城の浮舟城を築いた。その際、家臣だった小林家の祖先が領地内に植えたと伝えられる。硬いカシの木は武具や農具の材料としても利用されたという。

 東日本大震災の発生当時、小林さんの家族はカシの下に避難した。吉久さんは「カシの木のように筋の通った人間になれという家訓が代々受け継がれてきた。地域にとっても特別な存在」と話す。

<ガイド>
 ・所在地=南相馬市鹿島区小池字善徳128
 ・アクセス=JR常磐線鹿島駅から車で約15分
 ・駐車場=なし
 ・トイレ=なし
 ・問い合わせ=南相馬市教委文化財課 ☎0244(24)5284。

~年輪 刻んで~ ふくしまの名木の最新記事

>> 一覧