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優秀作品紹介5 【高校生部門】 被災者から復興者へ 佐藤佳奈さん 17 (相馬市、相馬農高3年)

 もし、一つだけ願いが叶うのなら、あの日、3月11日の大震災をなかったことにしたい。

 私の地元、福島県相馬市の磯部地区には大津波が襲いかかり、250名以上もの方が亡くなりました。あの大震災から1年以上がたった今では、山のようにあった瓦礫もきれいに片付けられ、まるで最初から何もなかったかのような風景です。

 私の通っている相馬農業高校では昨年5月から11月までの半年間、パネルで仕切られた体育館と仮設校舎で授業を受けました。現在も私たちが土を耕し、作物を育てることは制限されています。

 「私に何かできることはないか」。私はずっと考えていました。そんな時、ある発表会に出場し、震災から数カ月間の思いを述べました。私が発表する間、真剣な顔でこちらを見つめる人、涙を流している人が見えました。発表を終えると「ありがとう」とそばに来てくれた人もいました。

 「私にもできることがある」。それは、体験したことを伝え、出来事を風化させないということです。自然の恐ろしさや原発事故、風評被害…。辛いことばかりではありません。全国の方々からのたくさんの支援や、ボランティアで触れた人の温かさ。人生についてこれほど真剣に考えたことはありません。私にしか伝えられないことがたくさんあります。一人ひとりの力はとても小さいかもしれないけれど、復興を切望する一人の人間として、思いを伝えることは誰にでもできます。それは決して無駄にはなりません。必ず誰かの心に届いています。私は地元が、福島が大好きです。だからこそ、諦めたくありません。福島の被災された方々には「無力だ」とは思ってほしくないのです。

 過去を変えることはできません。あの大震災も原発事故もなかったことにはできません。ですが未来はいくらでも変えることができます。未来は確定していないのですから。大震災から1年、私たちは「被災者」から「復興者」へと歩みを始めます。

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