ふくしま復興大使・ふくしまからのメッセージ

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復興大使 NY派遣 再生への歩み示す 「ありがとう」世界へ

 10月に米国ニューヨークへ派遣されることが決まった「うつくしま復興大使」の3人は、郷土の再生に立ち向かう県民のパワーを世界に届けようと意気込んでいる。津波にのまれ、九死に一生を得て痛感した命の重み。勇気をくれた温かい支えに対する感謝の気持ち。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を経て芽生えたさまざまな思いを伝える。

■津波に襲われ九死に一生 命の重み 伝えたい 平商高2年 遠藤涼香さん16(いわき)

 いわき市の遠藤涼香さん(16)=平商高2年=は震災当日、けがで通院していた整形外科から母親の車で市内久之浜町の自宅に戻る途中、津波に襲われた。黒い波の中で死を覚悟したが、木と木の間に車が挟まり、奇跡的に助かった。「身をもって感じた津波の恐ろしさ、命の重みを伝えたい」と、ニューヨークでの活動を見据える。
 震災の後、自分から被災体験を話すことはあまりなかった。その年の8月、交流事業で長崎市に行く機会があり、平和祈念式典に参列。被爆体験者が切々と思いを訴える姿を見て、「自分の体験を後世に語り継いでいかなければならない」と感じるようになった。
 「津波にのまれた時の絶望、恐怖感はもう誰にも味わってほしくない」という思いは強い。災害に備えることの大切さ、元気に生活できることの尊さを自分なりの言葉で発信するつもりだ。

■おいしい果物、県民の温かさ 本県の魅力 届ける 浅川中2年 緑川5月さん14(浅川)

 「ゆっくりだけど、着実に復興へ向かっていることを知らせたい」。浅川町の緑川5月さん(14)=浅川中2年=はニューヨーク訪問への決意を語る。
 浅川町と友好関係にあり、津波被害が大きかった岩手県野田村を昨年夏に訪れ、海辺に積まれたがれきを見て胸を痛めた。「亡くなった人のためにも頑張って生きていきたい」とあらためて感じ、1日1日を大切にしようと生徒会、バレーボール部、特設合唱部などの活動に精力的に取り組んでいる。
 おいしい果物、県民の温かさなど、本県の良さは震災後も変わらないと感じている。その魅力を理解してもらうこと、応援してくれる世界の人々に「ありがとう」と伝えることが復興大使の役割だと考えている。

■震災後に絆の尊さ実感 前進する姿 訴える 「人・川・道の駅」協議会駅長 神田武宜さん52(湯川)

 湯川村の神田武宜(たけよし)さん(52)=湯川村・会津坂下町「人の駅・川の駅・道の駅」協議会駅長=は「震災では数え切れないほど泣いた」と振り返る。
 宮城県で被災した親戚を助けに向かう時、ガソリンを譲ってくれた友人。当時勤務していた天栄村のブリティッシュヒルズが再開した際、原発事故による不安の中で全員復帰してくれた外国人スタッフ。古里・湯川村の避難所支援で出会ったボランティア。絆の尊さを実感した。
 震災を経て「地元に貢献したい」という考えが強まり、昨年12月、湯川村と会津坂下町が準備を進める「人の駅・川の駅・道の駅」の駅長に転身した。日増しに深まる古里への思い。ニューヨークでは「古里を離れなければならなかった避難者の苦しみと帰還に向けた努力、前進する福島の姿を訴えたい」と誓う。

■昨年7月にロンドン訪問

 うつくしま復興大使の海外派遣では、昨年7月、英国ロンドンを松原未有さん(15)=福島市、当時福島一中2年=、安島加奈美さん(19)=いわき市、当時湯本高3年=、藤田浩志さん(34)=郡山市、農業=の3人が訪れたのをきっかけに「福島庭園」が整備され、開園式などで世界にメッセージを発信した。
 庭園内には後日、天皇陛下のお言葉が刻まれた石碑が設けられた。

■今年度国内派遣3日にスタート

 平成25年度うつくしま復興大使の国内派遣は今月3日に始まり、年度内に本県を除く46都道府県全てを訪れる予定。
 派遣事業は新たに県の「ふくしまから はじめよう。」プロジェクトに盛り込まれ、訪問先で県と連携して情報発信に努めている。

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