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災害の備え忘れずに 「自分の命守れるのは自分」

災害に備えることの大切さを伝える村上さん

伊達小で福島民報出前スクール
 福島民報社が1月26日、伊達市の伊達小で開いた「ふくしまは負けない」出前スクールでは、語り部として活動する新地町の村上美保子さん(65)が5年生に東日本大震災の被災体験を伝えた。村上さんは夫婦で営んでいた旅館「朝日館」を津波で失っており、災害に備える心構えの大切さを訴えた。主な講演内容を紹介する。

■津波で旅館失う村上美保子さん(新地)
 私は浜通りの一番北にある新地町に住んでいて、海から200メートルほどのところで130年以上も続いた旅館をやっていました。2011年3月11日、ものすごく大きな揺れに襲われ、このまま建物がつぶれて死んでしまうんじゃないかと思いました。
 旅館の廊下に生じたひびから、真っ黒い泡がブクブクと上がってきたのを見て、「あ、津波が来る」と感じました。なぜそう感じたかというと、私は三陸海岸がある岩手県で過ごした子どものころ、津波に備える教育を受けていたからだと思います。「新地に津波が来るなんて聞いたことがない」と逃げようとしない主人を何とか連れ出し、近所に声を掛けながら避難したことが大正解でした。人間は逃げようかどうか迷った時、誰かが「大丈夫」と言えばその場にとどまり、逆に「危ない」という声を聞けば逃げようと心の針が動くものです。
 津波が到達した時、高い場所から火事のような白い煙を見ました。津波は波なんかじゃなく、水の塊とか壁のようで、わが家のところでは3階より上の17.5メートルという高さでした。私たちのマチは消えてしまいました。
 プライバシーのない避難所から仮設住宅に移ると、7人の子どもがいました。世界中から文房具、洋服、おもちゃなどの支援物資が山ほど届き、子どもたちは次第に物を大事にしなくなってしまいました。
 そんな心配が広がっていた時、若いボランティアスタッフの提案で仮設商店街を始めました。子どもたちがアイデアを出し合い、手作りのアクセサリー店、飲食店などを設けました。銀行をつくり、独自のお金に両替して使ってもらうルールです。中でも子どもたちの絵などのオークションはすごい売り上げになり、重要な資金源となりました。仮設商店街は11回開催しましたが、子どもたちは自分の考えをまとめて話すこと、協力することを学びました。

■〈村上さん原作の紙芝居「命の次に大切なもの」を映像で披露~大切な船を津波から守ったものの、家族の命は救えなかった漁師の話〉

 自分の命を守れるのは自分だけです。自然災害だけでなく、交通事故や病気に気を付けるのも自分自身です。自分の命を大切にすることは、人の命を大切にすることでもあります。
 家に帰ったら紙芝居を思い出し、命の次に大切なものは何か、家族で話し合ってみてください。

■高橋可純さん 落ち着いた行動が重要
 村上さんが暮らしている新地町では、震災の津波による被害が大変だったことが分かりました。震災や原発事故に限らず、いつ、どんな災害や事故が起きるか私たちには分かりません。村上さんが経験したことを聞き、何があっても落ち着いて行動できるように備えておくことが大切だと感じました。

■宍戸結実さん 素早い判断で家族守る
 震災による被害がどれだけ大きかったのか、あらためて知ることができました。村上さんは大変な状況の中でも落ち着き、正しい判断で自分や家族、知人の命を守りました。タフでかっこいい女性だなと思いました。災害が起きた時、自分で素早く判断して動けるようにしていきたいと思います。

■鈴木恵琉さん 命の大切さ強く感じた
 村上さんの話を聞き、命の大切さを強く感じました。もしこれから自分が災害にあうことがあったら、冷静に素早く避難などの行動ができるようにしていかなければならないと思います。村上さんが暮らしていた仮設住宅で、7人の子どもたちが商店街を設けて成功させたという話も心に残りました。

カテゴリー:民報出前スクール

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