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寄り添う絆 大切に 「感謝と恩返しの心持って」

住民が寄り添って生きる場の大切さを語る原田さん

二本松三中で福島民報出前スクール
 3日に二本松市の二本松三中で開かれた福島民報社主催の「ふくしまは負けない」出前スクールで、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故のため二本松市で暮らす浪江町商工会長の原田雄一さん(65)は「住民が寄り添って生きる場」の大切さを訴えた。夢や希望の実現に向け、感謝と恩返しの心が大きな力になるとの思いも伝えた。主な講演内容を紹介する。

■二本松に避難 浪江町商工会長 原田雄一さん
 原発事故で浪江町から避難し、当初は2、3日で帰ることができると思っていました。避難が長引くと分かってきた時、このままでは浪江人としてのアイデンティティーや絆がなくなってしまうのではないかと感じました。
 そこで、浪江の商店街で続けてきた盆踊りを二本松市の商店街や福島市の仮設住宅で催すなど、伝統を守りながら絆を保つ活動をしています。全国を回り、各地で避難生活を送る町民との交流会も数多く開いてきました。
 商工会長として会員の賠償、事業再開のお手伝いをしていますが、スーパーを経営していた仲間が心労で自殺してしまいました。こんな悲しい出来事を繰り返さないため、相談に来るのを待つのではなく、こちらから出向いて悩みを聞くようにしました。
 復興公営住宅が希望に合わず、自ら新しい土地を求める町民が増えています。浪江がなくなってしまうのではないかと心配です。町民が寄り添って生きられる場をつくらなければなりません。浪江にいた時と同じようにあいさつを交わし、生きがいを見いだせる。そんなコミュニティーが築かれて初めて、復興の基盤となるのです。
 今回の原発事故では、政治家も学者も「本質」をつかむことができませんでした。私たち住民の立場で言えば、事故の本質は「コミュニティーを壊された」ということに尽きます。皆さんは国語でも数学でも、本質をつかみながら学ぶ姿勢を大切にしてください。
 この4年近く、怒りが原動力になったこともありました。しかし、怒りは感情にすぎません。確かに震災で失ったものはあまりにも多いのですが、得たものがたくさんあるのも事実です。多くの皆さんから温かい支援を受け、素直に感謝する心を持てたこともその1つです。感謝の次に来るのが恩返し。その言葉を常に持っていたいと思います。二本松の皆さんへの恩返しとして、岳温泉にある桜の手入れ、子どもたちのためのコンサートなどをしてきました。
 論語に「徳は孤ならず必ず隣あり」という言葉があります。一生懸命やっている人には必ず助ける人が現れるという意味です。もう1つ、孔子は弟子に指針として「恕[じょ]」という言葉を示した上で、自分にしてほしくないことは他人にしてはならないと説きました。皆さんにぜひ、伝えたかった言葉です。


■渡辺穂乃夏さん(1年) 経験を今後に生かす
 震災からもうすぐ4年がたちますが、福島がここまで復興できたのは、たくさんの方々の支援があったからだとあらためて感じました。私も原田さんのように、今までお世話になった方々への恩返しができるような人になりたいです。経験して得たことを今後に生かしていけるように努力したいと思います。

■鈴木将史君(2年) 優しさに触れ絆実感
 原田さんの講演を聞き、被災して町のコミュニティーがばらばらになることは、やはりとても悲しいことだと思いました。私も南相馬から避難し、同じ小学校の友達とばらばらになりました。二本松の皆さんが優しくしてくれたから頑張れたのだと思います。絆というものを実感することができました。

■根本菜々子さん(3年) 復興への貢献考える
 原田さんの話を聞き、震災により今も避難されている方々がどのような状況にあるのか、浪江町復興のため私たちにできることはないのかなど、さまざまなことを考えさせられました。避難された方々が岳温泉桜坂の桜の手入れをしてくれていたことを知り、春になったら家族と見に行きたいと思いました。

カテゴリー:民報出前スクール

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