ふくしま復興大使・ふくしまからのメッセージ

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古里再生交流記 長野 豊かな発想 地域に力

「ガラクタ」のような品でも買い取って販売しているグリーンファーム。小林社長(右)の説明を聞く復興大使の(左から)我妻さん、古関さん、秋田さん

 福島民報社が委嘱した平成28年度「ふくしま復興大使」の国内派遣第一陣は10月28日から3日間、長野県を訪れた。伊那市の農産物直売所「直産市場グリーンファーム」では、豊かな発想と実行力で売り上げを伸ばす経営者の熱意に触れた。

■農産物直売所 多様なニーズ対応

 グリーンファームは平成6年に営業を始めた民間経営の農産物直売所。市中心部から離れた農村地域にあるが、年間の売り上げは10億円に迫る。商品を出荷する生産者の登録は2000人を超え、従業員約70人のほとんどは正社員だ。
 豊富な野菜やキノコ類の中で、マツタケは全国トップレベルの販売量を誇る。細すぎるゴボウなど、通常なら出荷できずに廃棄される商品も販売している。
 商品の価格は生産者が決め、会社は売り上げの20%を販売手数料として受け取る。農家は収入を予測しやすく、容易に生産計画を立てられるという。「農産物を現金に換える」という基本理念の下、地域の中で現金が循環するシステムが確立されている。
 中古の骨董(こっとう)品、玩具、家電製品なども販売しており、ガラクタにしか見えないような商品も並ぶ。「ノーと言わない」が小林啓治社長(45)のモットーで、「買い取ってほしい」との依頼はほとんど断らない。最近は工場で不用となった大型ロッカー300台を買い取り、2カ月余りで完売させた。「どんなものでも必ず使い道があるという信念を持つことが大切」と小林社長。農産物の販売手数料だけでは赤字となる収支を買い取り販売が支えている。
 サルやクマ、ヤギ、ダチョウなどがいる動物コーナーもあり、土、日曜日などは大勢の家族連れでにぎわっている。小林社長は「観光資源が少ない場所にどう人を呼び込むか考え、個性的なスタイルの店になった。多様なニーズを捉え、常に考え、工夫することが大切」と復興大使にアドバイスした。

■「真田丸」で観光誘客 ゆかりの上田に大河ドラマ館

 NHK大河ドラマ「真田丸」の放送に合わせ、主要な舞台の一つとなった長野県上田市では観光客を呼び込む取り組みが進んでいる。復興大使は来年1月15日まで開館している上田城跡公園の信州上田真田丸大河ドラマ館を訪ねた。
 館内では、主人公の真田信繁(幸村)を取り巻く人間関係などを詳しく紹介。信繁の「赤備えの鎧兜(よろいかぶと)」をはじめドラマの撮影に使われた衣装や小道具、堺雅人さんや長沢まさみさんら出演者のサイン色紙などが展示されている。大画面4Kシアターコーナーでは、市内のロケ風景や貴重なメーキング映像を上映している。
 復興大使は戦国時代最後の名将といわれる信繁の生涯に思いを寄せ、歴史を生かした地域おこしにも理解を深めた。

■福島に伝えたいこと 若い世代、積極的に関わって
産直市場グリーンファーム社長 小林啓治さん 45
 グリーンファームは小さかったが、関わってくれる人が何百、何千と増え、大きな輪となって成長の原動力となった。初めは小さなことでも、熱意を持って続けていけば輪が広がり、やがて実を結ぶと信じている。福島でも若い世代が積極的にまちづくりに関わり、夢と可能性に満ちた地域を育んでほしい。

■訪問活動を終えて(敬称略)

【郡山市】我妻史人 17 あさか開成高2年 取り組みに新鮮さを感じた
 とても売れないだろうと思うようなガラクタを売ったり、子どもが楽しめる動物コーナーをつくったり、グリーンファームの取り組みには新鮮さを感じた。発想の素晴らしさを多くの人に伝え、地域発展につなげたい。

【平田村】秋田凱斗 17 小野高2年 工夫続けている姿が印象的
 復興には人口を震災前に戻すことが重要と考えていたが、小林社長は「人口なんてどこでも減っていく」という発想で工夫を続けているのが印象的だった。福島で求められていることを見極め今後の活動に生かしたい。

【福島市】古関優花 18 福島明成高3年 協力と明確なビジョン大切
 より良い店にするには社員が協力し、明確なビジョンを持ってニーズに応えることが大切だと知った。まちづくりも同じで、他にはない新しいもの、みんなから求められているものを形にしていくことが必要だと感じた。

カテゴリー:ふくしま復興大使国内派遣

真田丸大河ドラマ館を見学する復興大使

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