ふくしま産業賞特集

【特別賞】長門屋本店(会津若松) 伝統の菓子作り守る

多彩な会津伝統菓子を製造・販売する鈴木社長

 創業から170年、会津を代表する老舗菓子屋だ。地元食材を生かしたり、切り口を今風に変えたりする工夫を凝らし、会津伝統の菓子作りの技と味の魅力を守っている。
 「会津の心をつなぐ菓子」をテーマにした贈答用や観光土産で好まれてきた菓子は、東京電力福島第一原発事故の後、風評の影響で売れなくなり、売り上げが前年同時期比で九割減という月もあった。
 原点に返り、地域に根差した菓子屋として技術を生かし新たな市場を開拓しようと「伝統のリデザイン」をコンセプトに決めた。江戸時代から伝わる、あめ細工「とり飴」の赤色を青色に変え包みをスタイリッシュにした。童話「幸せの青い鳥」をイメージさせ、結婚式のプチギフトなどとしたところ若者に好評で、お年寄りも「懐かしい味」と喜ぶ。
 会津坂下名産の鬼くるみを丸ごと餡(あん)に包んだ「香木実(かぐのきのみ)」は平成27年に復興庁主催の「世界にも通用する究極のお土産」のグランプリに輝いた。28年には伊勢志摩サミットの提供品に採用された。
 六代目・鈴木哲也さん(43)は「震災後に商品を食べた客の一人が『懐かしい味。古里を思い出す』と言ってくれたのが忘れられない。これからも家族や仲間、復興の絆をつなげるような菓子を作り続けたい」と話している。

■メモ
▽創  業=嘉永元(1848)年
▽社  長=鈴木哲也
▽従業員数=19人
▽住  所=会津若松市川原町2の10
▽電話番号=0242(27)1358

カテゴリー:晴れの受賞社・団体(第2回)

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