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ことばの部屋(77) 大阪の方言みやげ-その1-

 春の学会で大阪へ行った。西日本最大の都市である大阪は関西の中心地であり、そこで使われている大阪弁はテレビなどを通じて全国的にもよく知られている。新大阪駅に着いてすぐ、みやげもの売り場に直行した。方言みやげを観察するためである。

 お菓子を中心にしたコーナーには、「見てってやぁ~!」「食べてみてや~!」「ためしにいっぺん食べてぇな~!!」と、宣伝文句が大阪弁で掲示されている。一番人気だという「たこ焼きちゃうねん」というシフォンケーキには、「ふっくら焼きあがってんで!」と吹き出しがある。方言ポップだ。よく見ると商品の一つ一つに付いているポップはすべて大阪弁だ。ポテトフライには「カリッとして、おいしいでっせ」、ドロップには「キャラメルちゃうで、ドロップやで」、グミには「果汁入りでっせ」とある。くいだおれ太郎の吹き出しポップもあり、「カスタードとあんこの詰め合わせですねん」「大阪の思い出にわても持って帰っておくんなはれ」と愛嬌たっぷりだ。

 そんな中に、大阪弁そのものを生かしたお菓子をいくつか見つけた。その一つが「おおさかシティーウォーク」という一口サイズのカステラだ。「まいど」「おおきに」「すきやねん」「ええねん」「ほんまや」と5種類の大阪弁が焼き印してある。また、「大阪弁うまい棒」は関西お好み焼きソース味で、「好きやねん」「まいどおおきに」「べっぴんさん」「ぼちぼちでんな」「なんでやねん」「しばいたろか」と6種類の大阪弁が書いてある。そして、「大阪弁人形焼カステラ」の袋には「めっちゃええねん」「すきやねん!」「ほんま?」「なんでやねん!」「あかん!!」「どない?」と、これも6種類の大阪弁が書いてある。中身も6種類かと思いながら裏を見たら、「"大阪弁"てんこ盛り!!」とあり、22種類の大阪弁が書いてあったのには驚いた。22個入りなのだ。さらに封のシールにはご親切に「ほな、どうぞ」とまで書いてある。

 大阪弁のお菓子は、大阪らしさたっぷりでおみやげに最適だ。職場へのおみやげとしてわくわくしながら買い求め、早速送る手続きをしたが、あとでふと気がついた。「あかん!」「アホか!」「しばいたろか!」もあったのだ。数は同僚の人数分しかない。誰にどれを渡せばいいのだろう...。(福島市、日本語学会会員・小林初夫)

■経歴
 こばやし・はつお 相馬郡小高町(現・南相馬市)生まれ。NHK方言監修者。宮城教育大学非常勤講師。福島県警察本部指定教養講師。著書(共著)に『全国方言一覧辞典』(学研)、『都道府県別全国方言辞典』(三省堂)、『調べてみよう暮らしのことば』(ゆまに書房)など。

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