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ことばの部屋(79) 大阪の方言みやげ-その3- 日用品にまで広がる

 大阪弁グッズのコーナーに珍しいものがあった。トイレットペーパーや綿棒、カットバンなどの日用品だ。これらは普段の生活で使う身近なものであるが、方言グッズとしては珍しいものである。

 カットバンはハローキティ、マイメロディ、ぐでたまなど人気のキャラクターのひと言が大阪弁で書いてある。「ちょーここ見てや どないかなってない?」「め...めっちゃいたい...」「へいきやもん」など、けが人の言葉から、「これ はっとき」「きぃつけや」「ほっといたら あかんで」「だいじょうぶやからね~」「いたいの いたいの とんでいきなはれ~」など、手当てしてくれる人の言葉まで書いてある。自分で貼るのもいいし、誰かに貼ってあげるのもいいだろう。

 トイレットペーパーの包みには、「見てふいて覚える尻勉」とあるが、共通語訳が付いていないので勉強とは直結しない。これもジョークだろう。包み一周で中身がわかるようになっていて、ご親切に「しっかり拭いときや」と添え書きもある。

 綿棒は、おみくじになっていて、110本入りだ。パッケージを見ると、たこ焼きの子どもが「42種類の大阪弁付きやで~」と言っている。42種類はすごい。このコーナーで最も大阪弁の数が多い方言グッズだ。どんな大阪弁が書いてあるのか、すぐに見たくて買い求めた。おみくじは超吉から超凶まで12段階あり、それに合わせたひと言が大阪弁で書いてある。「あんた今日は最高の日やで!」「調子のりまっせ! いきりまっせ!」「めっちゃしやわせやわ~」「今日はルンルンやで!」などのよいものから、「あちゃちゃ~」「あきまへんわ!」「ちょっとショックやおまへんか!?」などの悪いものまで42種類の大阪弁が書いてある。ほかにも、「ちっちゃな幸せが大事やで~」「まあ、のんびりできそうやね~」「普通が一番やで」「ぼちぼちでんな~」など、ほのぼのとする大阪弁も書いてある。

 店員さんによると、大阪弁グッズは修学旅行の中学生や高校生に人気だという。テレビのお笑い芸人やタレントの影響だろう。テレビのバラエティー番組からは毎日のように、大阪弁が全国に向けて流れている。テレビから流れている大阪弁には笑いの要素が含まれている。それが若者たちに支持されているのである。(福島市、日本語学会会員・小林初夫)

■経歴
 こばやし・はつお 相馬郡小高町(現・南相馬市)生まれ。NHK方言監修者。宮城教育大学非常勤講師。福島県警察本部指定教養講師。著書(共著)に『全国方言一覧辞典』(学研)、『都道府県別全国方言辞典』(三省堂)、『調べてみよう暮らしのことば』(ゆまに書房)など。

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