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つかんだJ3 福島ユナイテッドFCの軌跡(中) 経営危機 乗り越え

福島UのJ3参入決定から一夜明け、各方面からのお祝いの電話に笑顔で対応するクラブ関係者=20日、福島市飯坂町・AC福島ユナイテッド事務所

 J3参入決定から一夜明けた20日、福島市飯坂町のAC福島ユナイテッドの事務所はスポンサー企業やチームを応援してきた関係者から祝福の電話が相次いだ。スタッフはこれまでの支援に感謝しながら応対し、事務所は喜びにあふれた。

 県内初のプロサッカークラブ誕生という悲願を実現するまで、チームは数々の困難に立ち向かってきた。特にチーム存続の大きな危機となったのは平成22年。経営資金約1千万円が不足し「緊急事態宣言」を発表せざるを得ない窮地に立たされた。経営陣を刷新し、何とか資金にめどを立て、23年に経営母体を現在のAC福島ユナイテッドに移した。

 JFL昇格を目指し再出発した直後の23年3月11日、東日本大震災が発生。東京電力福島第一原発事故の影響もありスポンサー企業や所属選手が大量離脱し、再び経営危機が訪れた。「これまでみんなで目指してきたJリーグの夢を途切れさせたくない」。既に引退しチームコーチだった金基洙選手(31)と柳原裕選手(29)が現役に復帰しチームを支えた。

 再起を懸けたクラブは新しいスポンサーの獲得や選手補強にも奔走した。練習場所の確保もままならない状況だったが、選手とスタッフは懸命に努力を続けた。その姿は復興の象徴として県内のサッカーファン、行政、企業の胸を打ち、支援の輪が広がった。震災翌年の24年にはJFL昇格を決め、今年はJリーグ参入の夢を実現させた。

 17日のホーム最終戦で2度目の引退を発表した金、柳原両選手は「ユナイテッドでプレーしたことを誇りに思う。残る選手にはさらに上を目指してほしい」と夢を託した。

 J3参入が決定した19日、記者会見場で時崎悠(34)監督は「これまでチームに携わった多くの選手、関係者と一緒に一つの夢に向かって戦ってきた。その夢を実現できたことをうれしく思う...」と言葉を詰まらせながら語った。

 脳裏には志半ばでチームを離れざるを得なかった選手やスタッフの姿があった。これまで多くの人たちの情熱をつないできた福島Uは、いよいよ憧れのステージに上がった。

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