J3開幕直前 福島Uの挑戦(中) 環境 練習場求め遠征も プロ契約...アルバイトと両立

福島ユナイテッドFC(福島U)が主な練習場としている福島市北部にある十六沼公園サッカー場。イレブンは5日、雨が降り続く中、開幕戦に向け最終調整を続けた。人工芝コートがあり照明灯も完備されているが、福島U専用ではない。スポーツ大会などが催される時は練習場を求めて遠征せざるを得ない状況だ。
同じJ3でも、今季J2から降格したガイナーレ鳥取などは専用のグラウンドやクラブハウスなどを備えている。福島Uはハード面で劣っている部分もあるが、GKの岡田大(29)は「サッカーができるだけで幸せ」とJ3の舞台で戦えることを誇りにボールを追う。
福島Uは全29選手のうち27人とプロ契約を結んだ。プロとはいいながらも、実際にはクラブのスクールコーチや、飲食店などでアルバイトなどをしながら生計を立てる選手も多い。
副主将のMF益子義浩(26)は福島市内のホルモン焼き肉店で週4、5日働いている。シフトの関係で試合前日の夜に仕事を入れることもある。「サッカーだけで食べていけるのが理想。今の環境ではアルバイトとサッカーを両立させるしかない」と話す。焼き肉店での接客中にファンから声を掛けられることも多く、励みになっている。
J3参入で県民の関心も高まり支援の輪も広がっている。昨季までの日本フットボールリーグ(JFL)時代に比べスポンサー企業も増えているが、Jリーグへの支出金など新たな経費が増え、余裕のあるクラブ運営とはいえないのが実情だ。J3で勝利し活躍することが観客動員数を増やし、新たなスポンサーの開拓につながる。
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