2010年9月10日()

論説・あぶくま抄

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【臨時国会】与野党ともに試される (7月30日) 

 参院選後初めてとなる臨時国会がきょう30日召集される。来月2日からは衆参両院で予算委員会が開かれる。菅直人首相には、政権発足後初の本格論戦となる。政策や政見、さらに反省点をはっきり国民に示してほしい。
 民主党の惨敗によって、衆院と参院で多数派の異なる「ねじれ国会」が出現し、菅政権に「いばらの道」が待ち構える。同時に野党もいたずらに「反対」を振り回せば、国民からそっぽを向かれる。党利党略だけによる政治の混乱は国民の最大不幸となる。「ねじれ」を逆手に、与野党がじっくり話し合い、法案や政策をより良い内容にする好機になることを願う。
 「ねじれ」は与党にとって確かに深刻だ。国民新党などを含めた参院勢力は110議席にとどまり、過半数を12議席も割り込んだ。311議席で過半数の衆院も、参院での否決法案を再可決できる3分の2以上には足りない。昨年までの自公政権が用いた手法は使えない。法案が全く成立しない事態も起こり得る。参院で首相の問責決議案が可決されれば、政権が立ち往生するのは必至だ。
 与党は新たな連立相手を探すだろう。しかし、各野党は今のところ拒否の構えを崩していない。当面は、政策ごとに方向性で一致する野党に協力を求める「部分連合」以外にはあるまい。法案の大幅修正や丸のみも出そうだ。国民に対して丁寧な説明が不可欠となる。民意だけが菅首相の「突破口」とも言える。
 野党も理にかなった対応が試される。国民生活に不可欠な新法案や緊急性の高い改正案も今後、提出されよう。党利党略で賛否を決めたり、審議引き延ばしをしたりすれば、暮らしに影響が及ぶ。
 特に自民党は参院選勝利におごってはなるまい。比例代表では得票数で民主に後れを取った。民主の最大敗因とされる消費増税はもともと自民が掲げた公約だ。「敵失」に助けられた面は否めない。与党復帰を目指すなら、責任ある対応を心掛けてほしい。
 民主敗北の一因に強引な国会運営が挙げられる。臨時国会初日には参院で正副議長を選ぶ。与野党協議で、議長には民主の西岡武夫氏が就く方向になった。当初、「過半数を占めた野党から」との動きもあったが、民主が前国会の運営を陳謝したことなどから、まずは「議長は第一党から」の通例に従った形だ。
 「良識の府」とされる参院が「衆院のコピー」にならないためには、目先の政局に左右されない審議や独自の見識が基本となる。(鈴木 久)