金、１グラム９３１４円に上昇

　地金大手の田中貴金属工業（東京）は１８日、金価格を１グラム当たり前日比１９９円高の９３１４円に設定した。国内の金小売価格の指標として２日連続で過去最高を更新した。同社は１９日も同じ価格で販売する。欧米の金融不安から「有事の安全資産」として金の需要が増えたことが価格上昇の要因。

　欧米の金融機関の経営体力に対する不安は市場で強い。経済を資金面で支える機能が弱くなり、リーマン・ショックのような危機が再発しかねないとの懸念も出ている。このため金は、株式など有価証券と違って「紙くず同然」に暴落しない安全な資産として需要が増えた。