福島大は28日、架空の出張旅費の請求を繰り返し、研究費99万6280円を不正に受給したとして、行政政策学類の准教授を諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表した。
大学によると、准教授は2012(平成24)年から2022(令和2)年にかけて計44回、学会や研究会に出席する名目で架空の出張報告書を提出し、旅費を不正に受け取っていたという。
学内の調査に対し、准教授は受け取った研究費を研究用の書籍購入費に充ていたと説明しているという。
宿泊せず2日連続で東京都に日帰り出張するなど不自然な点があったため、昨年11月の内部監査で不正が判明し、学内に調査委員会を設置して調査を進めてきた。准教授は不正を認め、受け取った研究費の全額を返還する意思を示しているという。
同大は再発防止策として今後、教員の出張時には、学会や研究会の出席証明書などの提出を義務付ける。
三浦浩喜学長は「このような事案の発生を許したことは遺憾で、関係の皆さまにおわび申し上げる。事態を重く受け止め、研究費の執行手続きの厳格化、監査機能を強化し、再発防止策を講じる。大学の信頼を回復するよう努めていく」とコメントした。