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「除染土壌の県外処分」2024年度中の基準策定へ7項目要点案 環境省が初めて示す

2024.01.13 09:25

 東京電力福島第1原発事故に伴う除染で出た土壌(除去土壌)の県外最終処分に向け、環境省は12日、埋め立て処分基準作成のため、土壌の飛散や流出、地下水汚染の防止、生活環境の保全など7項目の要点案を初めて示した。2024(令和6)年度中の基準策定を目指し、中間貯蔵施設に保管している土壌の減容化技術などを検討するワーキンググループ(WG)の会合で議論を本格化させた。

 環境省が示した除去土壌の埋立処分基準の要点案は①飛散、流出の防止②地下水汚染の防止③生活環境の保全④周囲の囲いおよび表示⑤開口部の閉鎖⑥放射線量の測定⑦記録の保。具体的には、埋め立てた土壌の敷地外への飛散、流出を防ぐため表面を土砂で覆うなどの措置、埋め立て処分に伴う悪臭や騒音、振動で生活環境に支障を生じさせないための措置などを例示した。

 埋め立て処分を終了する際には一定の厚さがある覆土などで開口部を閉鎖するとし、埋め立て地の敷地境界で放射線量の定期的な測定と記録、処分した土壌に関する記録の保存の必要性も挙げた。

 WG委員の専門家は地下水汚染の防止に関し、「汚染防止は多重防護で考えた方が国民の理解を得られやすいのではないか」などと指摘した。埋め立て地の範囲を明らかにするための囲いや表示については「埋め立て処分した地表部分を駐車場などで利用できる場合の想定も用意すべき」との意見があった。

 WGは今後、議論を重ねて基準案を作成し、上部組織の「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」で取りまとめる。別のWGで除去土壌を再生利用する際の基準などを検討している。

 環境省は国際原子力機関(IAEA)の評価を得た上で、除去土壌の最終処分や再生利用の基準を2024年度中に策定したい考え。