福島県富岡町は東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域に「特定帰還居住区域」を設定するための復興再生計画を策定した。小良ケ浜、深谷両地区の面積460ヘクタールのうち約220ヘクタールを設定し、帰還意向を示した町民の宅地や農地などを対象とした。県の同意を得た上で政府に計画を申請し、今年度中の認定を目指す。政府は特定帰還居住区域として認定後、新年度にも除染を開始し、早期の避難指示解除を目指す。
26日、町議会全員協議会で町が示した。特定帰還居住区域案は【図】の通り。帰還意向調査で帰る意思を示した88世帯を対象にした。小良ケ浜、深谷両地区とも、町民の宅地や農地などの生活圏を踏まえ、帰還意向のない町民の宅地も含めるなど面的に設定した。宅地につながる林道も区域に含めた。住宅から離れた小良ケ浜地区を中心に広がる山林が多い北部地域は除いた。
政府は計画の認定後、特定帰還居住区域へのアクセス道路を含め、国費で除染してインフラ整備を進める。山本育男町長は「小良ケ浜、深谷両地区全域の解除が目標。今回の計画をベースとし、区域の面積を広げていきたい」との考えを示した。
計画の公表は帰還困難区域のある7市町村で4例目。