福島民報社奨励賞 ぼんさいや「あべ」(福島) 伝統美 海外にも発信

2019/03/14 16:46

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イタリアで盆栽を指導する阿部健一さん(左)
イタリアで盆栽を指導する阿部健一さん(左)

日本三大五葉松といわれる福島市の吾妻五葉松の苗木を販売し、海外にも盆栽の魅力を伝えている。


 国の許可を得て吾妻山などから松ぼっくりを採取して買い受け、種から盆栽に育てている。初代の故阿部倉吉さんは、自然のままの美しさを表現する「空間有美」という作風を確立した。阿部さん方には、約九十年前に倉吉さんの育てた作品も残る。二代目の健一さん(74)と妻慶子さん(72)、三代目の大樹さん(38)は倉吉さんの教えや考え方を大事に、日々、盆栽の手入れに励んでいる。


 倉吉さんが一九七五(昭和五十)年に著した「五葉松盆栽の作り方」は約二十年前、イタリア語で出版された。これを機に多くの外国人愛好家が阿部さん方を訪れるようになった。現在はフランス語やスペイン語、英語でも出版されており、健一さんらはヨーロッパ各地で吾妻五葉松の展示会を開いている。


 健一さんは盆栽愛好家を集めた愛好会「盆久楽(ぼんくら)会」を主宰し、愛好者の裾野を広げている。大樹さんは地元の小学生を対象にワークショップを行うなど、日本の伝統美を次代につないでいる。


 健一さんと大樹さんは「人間の思うように仕上げるのではなく、自然の美しさを表現するのが盆栽。吾妻山の自然から学ぶ姿勢を多くの人に伝えていきたい」と誓う。


■メモ

▽設  立=1928(昭和3)年4月

▽代  表=阿部健一

▽従業員数=3人

▽住  所=福島市在庭坂字古屋敷10の1

▽電話番号=024(591)1638