「カスミソウ」の販路拡大へ連携 3町村、県、JA会津よつば

2019/04/12 09:11

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 昭和、柳津、三島の三町村などは全国有数の生産量を誇るカスミソウの販路拡大を目指し連携事業を始める。合同のトップセールスを展開して関東地方や西日本への出荷を強化し、輸出を視野に入れる。月内に三町村で栽培される「昭和かすみ草」を地理的表示(GI)保護制度に登録申請する。農林水産省によると、登録されれば花卉(かき)として全国初となる。


■GI保護に月内登録申請

 カスミソウ産地の三町村、県、JA会津よつば、生産者で振興協議会を先月下旬に発足した。流通、販売を強化し単価を安定化させ、生産者の所得向上を狙う。

 合同のトップセールスでは行政の枠を越え、花の質の高さや産地の熱意を消費地に伝える。生産期のピークを迎える七、八月にカスミソウ栽培をしていない四国や九州地方に売り込み、新たな販路を開拓する。

 GI保護制度への申請は昭和かすみ草の地域ブランドを知的財産として保護するとともに、他産地との差別化を図り、ブランド力を高める。協議会は国が品質の高さを証明するGI登録に伴い、取り扱う小売業者などが全国に増加すると見込む。

 協議会は農家所得の向上を新規就農者の獲得につなげたい考え。二〇一八(平成三十)年度の生産者は昭和村五十一人、柳津町十八人、三島町三人の計七十二人で、前年から七人増えた。六十歳以上が約六割を占め、若手生産者の確保が急務となる。

 生産者が増加する一方で、生産面の課題も浮上している。昭和かすみ草は収穫後、昭和村の農林水産物集出荷貯蔵施設、通称「雪室(ゆきむろ)」と呼ばれる予冷庫に保管して冷やし、鮮度を維持させる。出荷前に全量を雪室に貯蔵し、出荷するのが最大の特徴。昨年は生産量が雪室に貯蔵できる量を上回った。

 施設を管理するJA会津よつばは三月に雪室の改修検討委員会を設立し、貯蔵スペースの拡張の検討を始めた。協議会も改修事業への支援を模索する。

 協議会事務局を務める昭和村の舟木幸一村長は「広域連携で売り込み、若い世代に昭和かすみ草の魅力を感じてもらいたい。カスミソウをきっかけに奥会津を訪れ、定住につなげたい」としている。


■出荷量全国一JA会津よつばかすみ草部会

 JA会津よつばかすみ草部会は昭和、柳津、三島の三町村の生産者で構成している。同部会のまとめでは、二〇一八(平成三十)年の出荷数は約三百八十万本、売り上げは約四億五千万円。昭和村によると春夏期は東日本大震災以降毎年、全国一の出荷量を誇る。


※地理的表示(GI)保護制度 2015(平成27)年6月に施行された「特定農林水産物などの名称保護法」に基づく制度。将来的な海外貿易の活発化に備え、国内ブランドの保護に向けて創設された。地域と結び付いて生産される優れた品質の農林水産物・食品を登録する。品質管理のチェックや登録表示を義務付けるとともにブランド名の不正使用に対して国が取り締まる。県内では南郷トマトが登録されている。