奥会津水力館(5月8日)

2019/05/08 09:48

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 会津若松市の東北電力会津若松支社の窓口にパネルが並ぶ。その一枚に夫婦円満の秘訣[ひけつ]は「一緒にいないこと」と記されている。初代会長を務めた白洲[しらす]次郎氏の言葉だという。互いに信頼し、自立する。夫は女房の前でも、かっこつけるべきだとも書かれてある。

 白洲氏は就任あいさつで自らを「相当な変わり者」と紹介した。英国仕込みの洗練された身ごなしで自分のスタイルを貫く。一九五〇年代、企業のトップでありながら外車のハンドルを握り、只見川にある水力発電所の建設現場を回った。ヘルメットにサングラスで、社員を励ました。

 「戦後日本の再建は東北から。東北の開発は電力から」を合言葉に奔走した。八年間の在職中に五つの発電所を稼働させ、各所に揮毫[きごう]した記念碑が立つ。只見川で作られた電気は国の政策などによって首都圏にも送られ、経済発展を支えた。

 金山町で奥会津水力館の建設が始まった。発電の仕組みと歩み、再生可能エネルギーの活用を紹介する。地域の未来を描き続けた白洲氏のコーナーも設け、一年後に完成する。福島県は原発事故で大きな痛手を負った。新時代のエネルギーはどうあるべきか。みんなで考えを巡らす。