知財活用へ有識者委 福島県内企業下請け脱却支援 6月にも特許庁

2019/05/26 11:30

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 特許庁は六月にも県内の自治体や商工団体、大学、金融機関などと連携した有識者委員会を設置し、県内中小企業が下請け型から知的財産(知財)を生かした自社開発型に転換できるよう支援する。県産業振興センター技術支援部(郡山市)に派遣する専門職員が事業所を訪問して集めた知財の活用状況などの情報を分析。支援対象を選び、新事業創出に向けた方策などを検討、アドバイスする。専門職員の派遣は東北地方では初めて。


■東北初、専門職員派遣

 福島知財活用プロジェクト事業創出実証研究事業の一環で、支援の概要は【図】の通り。

 専門職員は一人で、知財や起業、経営などに精通したコンサルティング会社に業務委託する。職員は県内各地の商工関係団体や知財を保有している中小企業などを訪れ、知財の活用状況のほか新事業創出に意欲がある事業者や経営上の課題を抱える企業などの情報を集約する。

 有識者委員会は職員からの報告を基に、製品化や販路拡大の方法など具体的な支援策を検討する。委員会の検討結果を踏まえ、職員は対象企業と協議しながら事業化に結び付ける。設備投資などが必要な場合は、金融機関などとの仲介役も担う。知財を保有する企業同士のマッチングにも力を入れる。

 県内には高い技術力を持つ中小企業が多くある一方、知財が有効に活用されているかは明確でない。同庁は職員がきめ細かく地域を回り情報収集をすることで実情を把握し、実行性の高い支援につなげたい考え。

 県によると、県内の中小企業は部品の加工や製造など大手企業の下請けに入っている事業所が多い。経営基盤の安定を図り、福島県産業のさらなる振興につなげるには自社技術の開発、技術を生かした製品製造が課題だ。このため、県も二〇一七(平成二十九)年度から知財保護に精通している弁理士を企業に派遣し、事業化を後押ししている。

 県内では知財の出願件数が増加傾向にある。二〇一七年の特許出願数は三百七件で、東日本大震災以降最多となった。こうした状況を踏まえ、同庁は支援が必要と判断した。

 普及支援課は「福島県ではどのようなニーズがあるかをよく見極め、支援していきたい」としている。