中間報告まとめる 甲状腺検査2巡目がんと被ばく関連否定

2019/06/04 07:59

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 東京電力福島第一原発事故の健康影響を調べる県民健康調査検討委員会の甲状腺検査評価部会は三日、事故当時十八歳以下だった県内の子どもを対象に二〇一四(平成二十六)、二〇一五年度に行った甲状腺検査の二巡目の結果について、「現時点で、甲状腺がんと放射線被ばくとの関連は認められない」との中間報告をまとめた。

 二巡目は、基礎データ収集を目的とした一巡目検査(先行検査)に対し、事故の影響を調べる「本格検査」との位置付け。専門家でつくる評価部会が二巡目の結果への評価を示すのは今回が初めて。

 評価部会は国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)が五十九市町村ごとに推定した甲状腺被ばく線量を解析に用い、甲状腺がんと診断された子どもの年齢や市町村などを照らし合わせた。受診者の性別や受診時の年齢、受診時期など、被ばく以外でがん発見率に影響するとみられる要因を除き検討した。

 約三十八万人が対象の二巡目検査では五十二人ががん、十九人ががんの疑いと診断されているが、解析の結果から推計被ばく線量が高くなると、がん発見率が上昇する-という一貫的な相関関係はないと結論付けた。

 中間報告では、今後の検査への評価・検討方法について三巡目、進行中の四巡目を包括して解析する姿勢や、地域がん・全国がん登録の患者情報を把握する必要性などを指摘した。

 評価部会は病理や臨床、疫学などの有識者で構成する。中間報告は七月に任期を満了する現メンバーによる議論の着地点として、県民健康調査検討委に説明される。

 部会長を務める鈴木元・国際医療福祉大クリニック院長は記者会見で、中間報告は二巡目のデータを解析したもので「放射線の影響が未来永劫(えいごう)ないと結論付けたわけではない」と説明した。検査を継続し、分析をさらに進めるべきとの考えを示した。