国登録有形文化財に 文化審答申 福島県内75カ所・221件

2019/07/20 11:02

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重厚な外観の福西本店の店蔵
重厚な外観の福西本店の店蔵

 国の文化審議会(佐藤信会長)は十九日、会津若松市の福西本店七件、竹藤(たけとう)四件、仙峡閣一件、伊達市の旧熊倉家住宅二件、大熊町の石田家住宅四件の計五カ所・十八件を建造物の登録有形文化財にするよう柴山昌彦文部科学相に答申した。近く官報に告示される。県内の建造物の登録有形文化財は七十五カ所・二百二十一件となる見通し。


 福西本店の七件は店蔵、袖蔵、主屋、座敷蔵、主屋蔵、離座敷、れんが塀。黒しっくい塗りの重厚な外観と対象的に、天井などは透(すき)漆塗りで美麗な内装を有する。

 竹藤の四件は店舗、主屋、竹蔵、座敷蔵。代々、竹問屋を営んだ商家。一八四一(天保十二)年建築の店舗は間口七間の大型店舗。竹蔵は竹材の保管や加工に使われた。

 仙峡閣は芦ノ牧温泉にあり、福島市にあった武徳殿を移築・復元した温泉旅館。入母屋造りの大屋根に千鳥破風を飾り、正面には社寺建築の細かな意匠が残る。

 旧熊倉家住宅の二件は主屋と土蔵。主屋は鉄筋コンクリート造りで、三階に展望室を備える。ドイツ壁仕上げの簡素な外観で、玄関とベランダを洋風意匠で装飾している。

 石田家住宅の四件は主屋、土蔵、もみ蔵、門。主屋は敷地奥中央に建ち、入母屋造りで当初はかやぶきの屋根だった。浜通りの伝統的な上層農家の様相を伝えている。


■思い出の家誇りに思う 石田宗昭さん

 大熊町の石田家住宅は東京電力福島第一原発事故の旧居住制限区域にある。

 所有者の農業石田宗昭さん(80)は妻キミ子さん(77)と田村市船引町に避難している。先祖は相馬藩の武士で、十六代目の宗昭さんは「原発事故前は子や孫が生まれ育った思い出の詰まった家。後世に受け継がれるのを誇りに思う」と話した。


■観光振興につなぐ 室井照平会津若松市長

 福西本店、竹藤、仙峡閣は市発展の歴史を物語るものであり、市制施行百二十周年の年に登録有形文化財の答申を受けたのは大変意義深い。地域の財産として地域の活性化、市の産業や観光の振興につなげたい。


■貴重な資源生かす  寺木誠伸会津若松市教育長

 市内の三件が有形文化財の登録答申を受けたことは歴史や伝統文化の保存、継承に努めている市にとって意義深い。後世に引き継ぐためには歴史的建造物の活用が重要だ。貴重な歴史資源を生かしていく。


■活用法検討したい  須田博行伊達市長

 大変うれしく思う。建造物の保存に尽力されてきた所有者に感謝を申し上げたい。六月に国指定史跡の答申があった「伊達氏梁川遺跡群」とともに市内の歴史観光の拠点となるよう活用法を検討していきたい。


■街並みや景観保存 菅野善昌伊達市教育長

 市内の近代建築の歩みを物語る貴重な建造物。歴史ある建造物が守り伝えられることは、街並みや景観の保存にもつながる。今後は市民が文化財を身近に感じられる場として、有効に活用していきたい。


■地域の宝引き継ぐ 渡辺利綱大熊町長

 町の代表的な旧家が大切に保存され、次の世代に伝承されることは大変意義深い。国登録有形文化財に答申されたことはありがたい。地域の宝として今後、より多くの町民の皆さまに見ていただき将来に引き継ぎたい。


■町民の学習の場に 木村政文大熊町教育長

 古民家は大熊の暮らしや景観を後世に伝える貴重な資料だ。町を代表する建物が有形文化財に登録され、大変喜ばしい。今後も保全に努めるとともに子どもたちや町民が集う場、学習の場として活用していきたい。