5巡目から利益、不利益併記で合意 甲状腺検査対象者に送る案内文

2019/10/08 08:32

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 東京電力福島第一原発事故の健康影響を調べる県民健康調査検討委員会は七日、福島市の福島グリーンパレスで開かれ、甲状腺検査の対象者に同意を得る際に送る案内文に、受診の利益(メリット)と不利益(デメリット)を併記する改定案に大筋で合意した。

 任期満了に伴い委員構成が変更されて初めての開催。案内文の見直しは七月末で任期を終えた前委員会からの継続課題だった。委員から「子どもや保護者が読むには内容が難しい」などの声が出た。星北斗座長(県医師会副会長)が指摘を踏まえて細部を調整した上で、二〇二〇(令和二)年四月に始まる五巡目検査から改める。当事者である子ども向けの平易な文書を新たに添えることも検討する。

 検討委は受診判断に関わる「利益と不利益の記載が不十分」との甲状腺検査評価部会からの指摘を受け、改定を進めてきた。改定版は、利益を「放射線の健康影響を心配する人の安心につながる」、不利益を「無害のがんを診断・治療する可能性がある」などと記している。

 星氏は委員の互選により引き続き座長に就いた。この日の会議で甲状腺検査そのものの在り方を巡る議論は避けられないと指摘。二〇二一年七月末までの任期中に、他の検査を含めた県民健康調査の将来像に関する議論を進める考えを示した。


■がん174人、疑い56人 甲状腺検査

 検討委員会では、甲状腺検査の六月末までの結果が報告された。一~四巡目と二十五歳時の節目検査を合わせると、がんの確定は三巡目で一人増えて百七十四人となり、がんの疑いは三、四巡目で計十二人増えて五十六人となった。

 甲状腺検査は原発事故当時に十八歳以下だった県内の子ども約三十八万人を対象に二〇一一(平成二十三)年度に始まった。二〇一四年度から二巡目、二〇一六年度から三巡目、二〇一八年度から四巡目に入った。