寅さん新作盟友に捧ぐ 山田監督会津訪問へ

2019/11/03 09:44

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日本酒などを販売している会津若松市のブース
日本酒などを販売している会津若松市のブース

 邦画史上に輝く名作「男はつらいよ」の山田洋次監督が十二月五日、シリーズの撮影監督を務めた故高羽哲夫さん(湯川村出身)の古里会津を訪れる。会津若松市で高羽さんの墓参りをし、年末に封切りされる五十作目の完成を報告。映画作りに情熱を注いだ盟友に感謝の思いを伝える。市内で開かれる試写会に出演者と共に臨み、会津の映画ファンに最新作品の魅力などを自ら紹介する。


 高羽さんは一九二六(大正十五)年に生まれ、一九四八(昭和二十三)年に松竹に入社した。黎明(れいめい)期から最盛期の日本映画を支え一九九五(平成七)年に没した。ほぼ全ての山田監督作品の撮影に関わり、山田監督から「尊敬する同志」と評された。

 第五十作は「男はつらいよ お帰り 寅さん」で高羽さんが撮影した過去の作品の映像に4Kデジタル修復を施し、撮り下ろし場面に織り交ぜて構成している。シリーズの新作は二十二年ぶり。山田監督は第一作を公開した一九六九年から半世紀となる今年、高羽さんが眠る地で日本中を笑いと感動に包んだ軌跡を振り返る。

 山田監督は二日、「男はつらいよ」の主人公車寅次郎(寅さん)の故郷である東京・柴又に撮影地関係者が集う「寅さんサミット」の特別座談会に登場した。新作について「昔の映像をうまくくるめるようにして改めて提示する」と述べ、高羽さんが残した遺産をファンに届ける手応えを語った。

 あいづふるさと映画祭実行委員会が山田監督の来訪と試写会を企画した。新城猪之吉実行委員長は「山田監督と高羽さんの二人がコンビを組んだからこそシリーズが生まれた」とし、高羽さんの業績に光が当たるのを願っている。


■12月5日、試写会 3日から参加受け付け 倍賞さんらも登場 若松

 第五十作の試写会は十二月五日午後六時半から會津風雅堂で開く。今月三日から申し込みを受け付ける。参加無料で、先着五百組千人。

 あいづふるさと映画祭実行委員会の主催で、福島民報社が共催する。松竹の特別協賛、湯川村、会津若松フィルムコミッションの後援。上映前に山田監督、寅さん(故渥美清さん)の妹さくらを演じる女優倍賞千恵子さん、寅さんのおい満男役となる俳優吉岡秀隆さんが語り合う予定。

 希望者は往復はがきに氏名、年齢、住所、連絡先を明記し応募する。一通で二人まで申し込め、氏名などは二人分記す。返信はがきには代表者の住所を記入する。郵送先は郵便番号965-0804 会津若松市花春町三ノ一、福島民報社会津若松支社 男はつらいよ試写会係。問い合わせは同支社(平日午前九時~午後五時) 電話0242(28)6900へ。


■3日まで寅さんサミット 会津若松市がブース

 寅さんサミットは都内の柴又帝釈天周辺で三日まで開かれている。第三十六作のロケ地だった会津若松市などゆかりの十九都市の関係者が特産品などを販売している。会津若松市のブースでは、あいづふるさと映画祭実行委員会が日本酒や民芸品などを紹介している。午前十時から午後四時まで。

 山田監督が参加した特別座談会には出演者の倍賞さん、前田吟さん(さくらの夫博役)、佐藤蛾次郎さん(寺男の源公役)が登場した。山田監督は「(第一作を公開した)五十年前は前を向いている時代だった。『僕たちは今、本当に幸せなのか』と、映画を見ながら感じてもらえればいい。(寅さんは)どこかにいる。彼は死なない」と語った。