第一原発デブリ回収2号機から 政府、東電方針

2019/11/28 08:26

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 政府と東京電力は福島第一原発1~3号機の原子炉格納容器内にある溶融核燃料(デブリ)の取り出しを2号機から実施する方針を固めた。二〇一九年度中に改定する廃炉工程表「中長期ロードマップ」に明記し、具体的な作業に入る見通し。2号機でデブリとみられる堆積物への接触に成功するなど調査が進んでいる現状や原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)による技術提言を踏まえ、判断したとみられる。

 取り出しの工法は今後詰める。政府、東電はロボットアームの使用を検討しており、装置の開発を進めた上で具体化させる。作業上のリスクを最小限に抑えるため小型のデブリから開始し、新たな安全確保など追加対策をした上で段階的に取り出し量を増やす考え。

 NDFは九月に二〇一九年度版の「技術戦略プラン」を公表。内部調査でデブリとみられる堆積物を動かせると確認した点や、格納容器の壁に穴を開けずに安全に作業できる点などを評価し、2号機からの取り出し開始が適切と明記していた。

 現行のロードマップは、二〇一九年度にデブリを取り出す初号機と工法を確定し、二〇二一(令和三)年内に作業を開始するとの目標を掲げており、初号機決定の期限が迫っている。


■復興と廃炉両立大原則

 今回のロードマップの改定では、福島第一原発周辺地域への住民帰還が進んでいる現状を踏まえ、新たな風評や住民の不安につながらないよう「復興と廃炉の両立」を大原則に打ち出す。リスクの早期低減や安全確保を最優先する方針を盛り込む。

 具体策としては、2号機の使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しで、ダスト飛散を抑制する工法を採用する。また、当面十年程度の廃炉作業の工程を精査し、全体の効率性を高める考えだ。

 廃炉完了までの期間は、当初から掲げている「冷温停止から三十~四十年後」との目標を堅持する。

 ロードマップは政府と東電が二〇一一(平成二十三)年十二月に策定した。廃炉・汚染水対策の進捗(しんちょく)捗を踏まえ、前回の二〇一七年九月までに四回改定している。