再起の五輪イヤー(1月16日)

2020/01/16 09:05

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有

 帽子とマスクで表情はうかがい知れなかった。ゆっくりと自ら歩いて姿を現した。バドミントン男子シングルス世界ランキング一位の桃田賢斗さんがマレーシアから帰国した。年始めの国際大会を制した喜びもつかの間、交通事故に遭った。

 入院直後から現地の首相夫人や閣僚、ライバルが見舞いに駆け付けた。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長もすぐさま談話を出し、各国から励ましの言葉が寄せられた。ゆかりのある県内の人々も一日も早い回復を祈る。

 昨年の国際大会で史上最多十一回の優勝を遂げた。世界の年間最優秀選手に輝き、東京五輪で金メダルが期待される。鋭い打ち合いから、不意に速さを緩めてネット際に羽根を落とす技「ヘアピン」に秀でる。富岡一中、富岡高で磨きを掛け、時速四百キロほどのスマッシュと使い分けて頂点に立つ。

 自身の過ちで四年前、リオデジャネイロ五輪に出場できなかった。挫折を経験しても、はい上がり、周りの支えに感謝して努力を重ねる。競技と真摯[しんし]に向き合う姿を貫き、力を蓄えた。活躍を願う声が広がる中で、五輪イヤーに再び苦難に襲われた。ひたむきさで必ず乗り越えると、誰もが信じる。