冷静な心で温かく(2月23日)

2020/02/23 09:01

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 天皇陛下が即位後、初めて迎えられた誕生日の二十三日、皇居で一般参賀は行われない。宮内庁は新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を警戒し、異例の対応を取った。県内でも就職の合同説明会や講演会、マラソン大会の中止や延期が相次いでいる。

 中国で患者が増える中、武漢市から最初に帰国した百七十六人は、千葉県勝浦市のホテルで二週間、感染していないかの様子を見た。陰性と分かり、帰宅の途に就くバスに乗り込む。その周りで、市民が「また来てね」と記した横断幕を掲げ、笑顔で手を振った。

 地元の小中学生は体調を気遣う手紙を送った。窓から見える砂浜に「まけるな」の文字が刻まれ、応援の灯籠がともされた。部屋の外に出られない不自由な生活を、従業員や多くの住民が励ました。帰国者の不安や孤独な気持ちは、どれほど救われたか。

 震災や原発事故を経験した本県の人々は、厳しい状況の中で求められる冷静さや、思いやりの大切さを知る。ウイルスを蔓延[まんえん]させないように、まずは予防に努める。それでも病気は県内に侵入するかもしれないが、慌ててはいけない。そんな時こそ、正しい情報と支え合いの心を大切にしよう。