風評防止へ対策を 処理水処分 県内自治体・業界団体 政府が意見聴取

2020/04/14 08:22

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 東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方法の決定に向け、政府は十三日、福島市と富岡町で県内の自治体や業界団体から意見を聞く会合を開いた。風評防止に向けた対策を求める声や、国内外への正確な情報発信と議論を深めるべきとの意見が相次いだ。


 会合は六日に続き二回目。第一部は福島市のザ・セレクトン福島で開き、県商工会連合会とヨークベニマル、JA福島中央会の代表者が意見を述べた。第二部は富岡町のホテル蓬人館で清水敏男いわき市長と双葉地方町村会の八町村長が臨んだ。座長の松本洋平経済産業副大臣は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、テレビ会議で参加した。

 ヨークベニマルの真船幸夫社長は水産物への影響や安全性に対する科学的根拠を国内外で共有すべきとし、「風評の事前防止策が欠かせない」と訴えた。JA福島中央会の菅野孝志会長は処理水処分による県産農産物の安全性の担保や新たな風評に懸念を示し、「水蒸気放出と海洋放出の二者択一は反対する」と主張した。

 清水敏男いわき市長はいずれの処分法でも風評は起こる可能性があると指摘。「東電による自治体などへの賠償は進んでいない」とし、対策に必要な財源確保を見据えた国の基金創出を提案した。

 双葉地方町村会長の伊沢史朗双葉町長は処理水を保管するタンクが二〇二二(令和四)年六月にも上限に達するとする東電の試算結果を踏まえ、「風評被害を出さないための具体的な対策を示すべき時期。実際に一番被害を受けるのは双葉地方の住民」と強調した。

 処理水放出に一定の理解を示す意見も出た。県商工会連合会の轡田倉治会長は処理水の残存が風評を生んでいると指摘し、「一日も早く処理水を処分して風評をなくすべき」とした。

 会合はテレビ会議の音声が途絶えるなどして一時進行を中断する場面もあった。出席者からはやりとりに違和感を訴える声もあった。

 次回の意見を聞く会合は県外で初めて開く。詳細な場所や時間は今後、発表する予定。